財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
<< January 2011 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
CATEGORIES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
財政ブログの更新状況
SPONSORED LINKS
MOBILE
qrcode
 
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | - | pookmark
23年度予算における独法向け支出を集計
 時事ドットコムが1月26日に掲出した「独法向け支出5.5%減=来年度予算案」は、財務省が26日、23年度予算案のうち独立行政法人向けの財政支出が、一般会計と特別会計合わせて前年度当初比5.5%減の2兆9881億円になったと発表したと報じる。鉄道建設・運輸施設整備支援機構の利益剰余金のうち1兆2000億円など、不要資産の国庫納付額は1兆3717億円とのこと。

公表資料:独立行政法人及び公益法人向け財政支出等の概要(1月26日追加) (255kb)
      独立行政法人及び公益法人の不要資産の国庫納付(1月26日追加) (94kb)
総理大臣は認識している

 日経電子版が1月27日に掲出した「菅首相、財政の現状「主要先進国の中で最悪」」〔日経QUICKニュース〕は、菅直人首相が27日午前の参院本会議で、日本の財政状況について「現状は主要先進国の中で最悪の水準であることを認めざるを得ない。国債発行に過度に依存することは困難であり、財政健全化はどの内閣でも逃げることができない課題だ」との認識を示したと報じる。今後については32年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標などを説明、「一歩一歩を達成を目指していきたい」と語ったとか。

一般歳出を71兆円以下に抑えても国債依存度は5割超

 読売オンラインが1月26日に掲出した「14年度新規国債、最大54・2兆…財務省試算」は、24〜26年度の国の歳入と歳出見通しをまとめた財務省の試算について報じる。26年度には、社会保障費や借金返済にあてる国債費の増大などで一般会計の歳出が100・9〜101・9兆円に膨らみ、一方、特別会計の積立金をはじめとする「埋蔵金」の枯渇などで、税収と税外収入は計46・7〜48・6兆円にとどまり、その差は53・3〜54・2兆円に上る見通しとか。政府は、国の収入と支出の大枠を示す中期財政フレームで、23〜25年度の3年間、国債費などを除く「歳出の大枠」を71兆円以下に抑える方針を示しているが、試算によると、方針どおりに達成しても、一般会計の歳出と、税収や税外収入の合計の差額が25年度に49・1〜49・8兆円に達する見込みであり、消費税を含む税制抜本改革による財源確保が遅れ、差額分を新規国債でまかなうことになれば、23年度の新規国債発行見込み額(44・3兆円)を大きく上回る水準となるとの由。

総人件費2割削減に向けた関係閣僚会合

 日経電子版が1月26日に掲出した「公務員人件費、「2割減」維持を演出か 28日に閣僚会合」は、政府が28日、国家公務員総人件費2割削減に向けた関係閣僚会合を開くと報じる。「2割減」は民主党が政権交代を果たした21年衆院選マニフェスト(政権公約)の柱の一つだが、人件費削減への取り組みは停滞しており、関係閣僚会合は衆院議員任期の終わる25年度までの公約達成をあきらめない姿勢を示すための「演出」との見方もあると記事は伝える。菅直人首相は25日、枝野幸男官房長官、片山善博総務相、中野寛成公務員制度改革担当相、玄葉光一郎国家戦略相に「マニフェストをしっかり認識しながら総人件費削減を進めるように」と指示し、閣僚会合を定例的に開くことを決めたとか。戦略相は「2割減は旗としてきちんと掲げていくことを確認した」と語ったとも。政府が3月に国会に提出する国家公務員制度改革関連4法案は労働基本権の拡大が中心であり、人事院勧告制度を廃止して、賃金水準を労使交渉で決める仕組みも盛り込むが、「交渉により賃金が下がるとは限らない」(公務員労組関係者)ため、2割減公約につながる中身とはいえないのが実情との由。政権交代した21年度の総人件費は予算ベースで5兆3195億円であり、これを2割減公約の基準額とみなせば、22年度は1400億円減の5兆1795億円、23年度予算案も、1590億円減の5兆1605億円にとどまっていて、公約達成のため必要な1兆1000億円圧縮にはほど遠く、残り2年間で実現するのは極めて困難な情勢であり、公務員改革相は25日の記者会見で「人件費削減の問題はあるが、労働基本権はどうなるのか、公務員労組が不安なことは承知している」と述べていて、2割減公約への鈍い取り組みは、労組への遠慮も背景の一つにあると記事は評する。連合は民主党の有力支持団体であり、地方公務員の組合の自治労は最も有力な構成団体で、民主党は国家公務員労組と一線を画しているとはいえ、制度変更の影響を受ける地方公務員側への配慮は欠かせないとか。民主党のマニフェスト見直し作業が本格化するのは、国会会期末の6月22日に近づいてからとみられており、「2割減」も修正対象になる可能性があるため、野党側には「ここにきての関係閣僚会合は国会審議をしのぐための時間稼ぎではないか」と勘繰る向きがあると記事は伝える。

オープンソフト採用の動き

 MSN産経ニュースが1月22日に掲出した「自治体で無料ソフト採用拡大 手軽なコスト削減策に」は、自治体がパソコンで使用する有料ソフトを、インターネット上で配布されている無料ソフトに切り替える動きが広がっていると報じる。不況で税収減に悩む自治体にとって手っ取り早いコスト削減策で、導入を後押しする企業関係者からも「無料ソフトの機能は向上している。この流れは今後も拡大していく」との声が上がっていると記事は伝える。記事は、事例として、福島県会津若松市がワープロや表計算ソフトを、マイクロソフト社の有料ソフト「オフィス」から、平成19年にオープンソフト「オープンオフィス」へ切り替えた事例、大阪府箕面市が教員用の約400台のパソコンや、授業で子供が使う1千台を超えるパソコンにオープンオフィスを採用し、教員用パソコンの基本ソフト(OS)はウィンドウズからリナックス系ソフトに切り替えた事例、同府八尾市が、オープンオフィスを試験的に使用している事例を上げ、山形県、横浜市などで導入の動きがあると伝える。

経済財政の中長期試算

 読売が1月19日に掲出した「20年度の基礎的収支、赤字4%台の見通し」は、32年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)が、名目国内総生産(GDP)に比べて4%台前半の赤字となる見通しとなったと報じる。昨年6月の内閣府の試算(3・8%の赤字)から悪化し、消費税率を8%程度引き上げても、政府が掲げる32年度のPBの黒字化は厳しい状況となったとか。財政状況が一段と厳しくなる見通しとなったことで、消費税を含む税制の抜本改革を求める声が一層強まりそうと記事は伝える。内閣府は、21日に開く政府の新成長戦略実現会議に「経済財政の中長期試算」として提出するとのこと。国債の新規発行額が高止まりしていることや、金利上昇による国債の利払い費の増加が見込まれることなどが要因で、金額に換算すると、PBの黒字化には二十数兆円の財源不足とか。

 毎日新聞が1月21日に掲出した「<経済財政>「20年度23.2兆円」赤字見通し発表」〔高橋昌紀〕は、内閣府が21日、「経済財政の中長期試算」を正式発表したと報じる。国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、名目成長率で平均1%台半ばの低成長が続いた場合、32年度に23.2兆円の赤字となる見通しで、昨年6月の試算から赤字幅が1.5兆円拡大しており、赤字額の国内総生産(GDP)比では、昨年6月試算の3.8%から4.2%に悪化するとのこと。内閣府によると、赤字幅拡大の要因は地方財政の改善ペースが鈍化すると推定したためで、政府は32年度に基礎的収支の黒字化を目標としているが、達成には消費税率で9%程度の財源が必要となる計算とか。

公表資料:「経済財政の中長期試算」(平成23年1月21日公表)(PDF形式:357KB)

小渕減税の反省がない議論というのはいただけない

 J−CASTニュースが1月17日に掲出した「高橋洋一の民主党ウォッチ 菅、枝野、与謝野それに総理夫人 財務省キャンペーンに屈した面々」は、菅総理が与謝野馨氏を経済財政担当大臣にしたことについて、与謝野氏が、財政収支均衡を最優先し、その手法は増税というコテコテの財政至上主義者であり、財務省の主張そのものと説く。そして、世論調査で、増税容認が多いことについて、「これまで菅政権で、何度ともなく増税が必要、必要と繰り返してきたので、あきらめの早い日本人は仕方ないかなと思ってしまうだろう。もちろん、これは財務省が周到に仕組んだ増税キャンペーンである。菅総理のみならず伸子夫人も「洗脳」されたようだ。」として、マスコミも各社の経済部エリートを財研クラブ(財務省の記者クラブ)に配していて、その中はサラリーマン記者が多いために財務省からの増税キャンペーンを垂れ流していると説く。そして、「霞ヶ関埋蔵金」を取り上げて、「毎年結局は出てくるのに、いつも当初は「ない」という報道ばかりだ。予算編成の年末になると、それまでの報道とは一転して出てくる。昨10年末にも鉄道建設関連の埋蔵金が出てきた。これで5年連続累計40兆円以上だ。ところが、新しい年になると、また「ない」と報道される。」と称している。しかし、例示されている「鉄道建設関連の埋蔵金」は、「それまでの報道とは一転して出てきた」ものではない。制度上残余金は国庫に返納することとされている金であり、余剰基調であることは一昨年に会計検査院が報告していて報道もされている話だ。これを、見付かっていない財源を示す「埋蔵金」と称することは、「私は知らなかった」と言っているだけのことだ。「社会保障費自然増1兆円というが、その程度なら名目経済成長率を1%上げれば確保できる。こんなことも分からない人たちに国を動かされているなんて、滅多にないくらい悲惨なことだが、あまりに悲惨なだけに長くは続かないだろう。」と語っているが、名目経済成長率が1%上げれば、連動して社会保障費も更に上がることを脇へ置いた議論だ。いずれにせよ、減税と借金による公共投資増大の小渕路線が失敗し、構造改革(端的には郵政改革)と公共投資削減と社会保障費抑制による財政収支改善の小泉路線が成功したという経験を無視した議論はいかがなものか、という気がする。

経済同友会の提言

 時事が1月11日に掲出した「消費税、17年度に17%=19年度に財政黒字化―同友会が提言」は、経済同友会が11日、日本の経済・社会の再活性化に向けた提言「2020年の日本創生」を発表したと報じる。提言は、社会保障制度の財源確保と財政再建のため消費税率を段階的に引き上げ、29年度に17%とするよう改めて要求しており、また、税財政・社会保障制度の改革と並行して成長戦略に取り組むことで、31年度に基礎的財政収支の黒字化が可能と訴えているとのこと。桜井正光代表幹事は同日のインタビューで、消費増税を含む税制改革について「(国民に必要性を)説明する政権でなければ、これからは駄目だ」と述べ、菅直人首相に指導力の発揮を促したと記事は伝える。

公表資料:2020年の日本創生 −若者が輝き、世界が期待する国へ−

財政は断崖絶壁

 日経電子版が1月6日に掲出した「官房長官、財政「断崖絶壁のところにきている」」〔日経QUICKニュース〕は、仙谷由人官房長官が6日午前の記者会見で、日本の財政状況について「社会保障制度が持続可能かどうかは容易ならざる事態。社会保障の裏打ちである財政についても一刻の猶予もならない断崖絶壁のところにきている」との認識を示したと報じる。そのうえで、菅直人首相が5日夜のテレビ番組で社会保障と消費税を含む税制の一体的な改革に「政治生命をかける」と発言したことに関連し「来年度予算をどう財源手当てして編成するかを考えても、このままでは到底困難な事態であるという認識を、財務大臣の時から分かっていたのだと思う」と語ったとか。

予算編成はいつも政治主導

 毎日jpが12月28日に掲出した「菅首相:科技予算増額で得意げ 「財務省は、なんとかしろと言うとなんとかする」」〔倉田陶子〕は、菅直人首相が27日、官邸でノーベル賞受賞者の野依良治科学技術・学術審議会会長らの表敬を受けた際、23年度予算案で、研究者に配分する科学研究費補助金(2633億円)が前年度比32%増となったことについて、野依氏が「画期的なことで大変感謝しています」と評価したところ、首相が財務省に「時間が足りない」と抵抗されたと明かし、「理屈は分からないが増やせ、と言った。財務省は『なんとかしろ』と言うとなんとかするところだ」と応じたと報じる。一方で財務省の対応を「いいと同時に悪いこと。歴代政権が『景気が悪いからなんとかしろ』と言って借金ができた」とも語ったとも報じる。