財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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金融相が消費税率10%では不足と発言
 日経電子版が4月23日に掲出した「歳出入の差「消費税10%でも埋まらない」 金融相」は、亀井静香郵政・金融担当相が23日の閣議後の記者会見で、消費税率の引き上げについて「消費税を10%にしても(それによって上がる税収では)今の歳出と歳入のギャップを埋められない」と否定的な考えを示したと報じる。同時に「菅直人財務相も力強いダイナミックな経済成長を促す財政出動を否定していない。2人の意見は一致している」と語ったとか。

 10%では足りない、との発言が、引き上げの否定、として報じられているわけだが。
がんばれ吉川教授

 日経電子版が4月23日に掲出した「財制審、来週に再開 会長に吉川・東大教授」は、財務省が21年9月の鳩山政権の発足以降、「休眠」状態となっていた財政制度等審議会を来週から再開させると報じる。会長には前任の西室泰三東京証券取引所グループ会長に代わって、吉川洋東大教授が就任する見通しとか。これまでは経済界の代表や有識者ら幅広い分野の委員で構成し、予算編成の「ご意見番」としての役割を担ってきたが、経済学や財政学を専門とする学者で構成する専門家会合に改めると記事は伝える。吉川教授は自公政権下で経済財政諮問会議の議員などを歴任し、現政権が批判する小泉純一郎元首相や竹中平蔵元経済財政相のブレーンとして活躍したが、社会保障制度を維持・充実させるために、消費税率の引き上げは避けられないというのが持論で、「消費税率を上げないと逃げた」と小泉氏を批判し、増税論議へ地ならしを始めた菅直人副総理・財務相をどう支えるのかが注目されそうと記事は評する。財制審はこれまで予算編成に合わせて「建議」(意見書)を提出し、公共事業費や社会保障費の抑制を訴えるなど、存在感を示してきたが、「政治主導」を掲げる鳩山政権の誕生に伴い、昨年は建議を見送り、審議も休止していたとのこと。今後は政府税制調査会の「専門家委員会」と同様に、政治による判断のための材料や論点整理などを担うこととなると記事は伝える。

 朝日が4月23日に掲出した「財政審、大幅スリム化へ 委員、10人程度に絞り込み」〔高田寛〕は、菅直人財務相が、自民党政権時代に予算編成の考え方を提言してきた「財政制度等審議会」(財政審)を大幅にスリム化し、専門性の高い議論を進めるため、委員を学者中心に10人程度に絞り込むと報じる。現在の委員数は29人で、経済界やマスコミ関係者、学者、弁護士、作家など幅広い顔ぶれで構成されており、麻生政権までは、エコノミストなどの臨時委員や専門委員を加えた約50人で、予算編成の課題や問題点について議論し、財務相に建議を提出してきていて、21年度に支給された定額給付金をめぐっては、国会審議中に、「給付金はばらまき」と批判し、使い道を見直すよう求めたこともあるとか。ただ、鳩山政権が政治主導の強化を掲げて、「政策は審議会ではなく、政治家が判断する方針になった」(財務省幹部)ため、昨秋の政権交代後は会合が開かれず、事実上の休眠状態にあり、菅氏は財政審の役割を、税財政について専門的に議論する「専門家会合」に衣替えする意向で、正規の委員を20数人にしたうえで、予算編成などを議論する臨時委員や専門委員は新たに任命しない考えとか。

総人件費2割削減は出先機関廃止で

 時事が4月21日に掲出した「2割削減の道筋、6月にも=国家公務員の総人件費で−原口総務相」は、原口一博総務相が21日の衆院内閣委員会で、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた25年度の「国家公務員の総人件費2割削減」への道筋を、政府が6月にも策定する地域主権戦略大綱に盛り込む考えを示したと報じる。原口氏は「夏に出す大綱の中に出先機関廃止と公務員総人件費2割カットの道筋を出していきたい」と述べたとか。また、原口氏は削減の具体策として公務員給与見直し、新規採用抑制などを含む定員管理改善、出先機関の原則廃止、電子政府推進による業務効率化を挙げたとも。

財政健全化法案の原案

 日経電子版が4月21日に掲出した「財政健全化へ2案 20年度に基礎収支黒字化」は、政府・与党が検討している財政健全化法案の原案について、この先10年間を見据えた新しい数値目標として、自民党政権が「骨太の方針」などで活用してきた国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を採用する案と、欧州連合(EU)が使っている国・地方の財政赤字の国内総生産(GDP)比を目安にした目標の2案を提示しており、どちらを法案に盛るかなどを巡り、政府が与党との調整に入ったと報じる。新法の名称は「成長・社会保障・財政健全化基本法案」で、政府内では菅直人副総理・財務相が財政健全化法案の今国会提出に意欲を示しているが、与党内では参院選を前に財政再建を主眼にした同法案に慎重な意見も多く、今国会での扱いは流動的と記事は伝える。プライマリーバランスは新たな借金をせずにその年度の政策経費を賄えるかを見る指標で、原案は、27年度に赤字幅を半減し、32年度に黒字化する、としていて、22年度の国・地方の赤字幅33兆5000億円(内閣府推計)を10年間でゼロにするものとのこと。もう一つの国・地方の財政赤字のGDP比を使う案は、27年度までに赤字幅を約6%程度、32年度までに3%以下に抑える、という内容で、金額に換算すると、22年度推計で約44兆8000億円の赤字幅を14兆3000億円まで圧縮する計画になるとか。2案とも目標実現に向けた赤字の圧縮幅は30兆円程度でほぼ同じだが、経済成長による税収増や歳出削減だけでは達成は困難で、消費増税を含めた税制の抜本改革の必要性をにじませる案といえると記事は評する。消費税率1%の税収を2兆5000億円とすると、現行5%の税率を15%に引き上げても足りない計算とか。原案は消費税率上げの時期や上げ幅、経済成長率の見通しには触れていないが、その代わり、消費増税を含む税制の抜本改革の時期について、(1)遅滞なく検討を進める、(2)23年末までに具体的内容を定める、の両論を併記しているとか。

消費税は10%を越えるべきとの認識が語られ始めた

 東京新聞が4月18日に掲出した「消費税「4年後には10%に」 民主・玄葉氏」〔共同〕は、民主党の玄葉光一郎衆院財務金融委員長が18日のフジテレビ番組で、消費税率の引き上げについて「4年後ぐらいには確実に上がっている姿にしなければならない。10%はひとつの(目安となる)数字だ」との認識を示したと報じる。同時に「次期衆院選までは引き上げない。ここ1、2年で年金も含めた制度設計を行う」と強調し、「基礎年金をすべて(全額税方式で)やるとなると、4%ぐらい必要だ。最終的には10%を超えざるを得ない」と述べたとか。

財政健全化法に増税を盛り込むことができるのか

 毎日jpが4月12日に掲出した「菅副総理:政府内で増税協議へ」〔坂井隆之〕は、菅直人副総理兼財務相が12日、東京都内の日本外国特派員協会で講演し、「増税しても、使う道を間違わなければ(お金が循環して)景気が良くなる」と述べ、今国会への提出を目指している財政健全化法案に増税を盛り込む方向で政府内で議論を進める姿勢を示したと報じる。当然のことながら、増税の具体的な内容や時期には言及しなかったとのこと。菅氏は「人気のあった小泉(純一郎元首相)さんでさえ、『自分が総理の間は消費税を上げない』と言って、この(増税)問題を避けた」と指摘し、「日本の政治家には、増税すると選挙に負けるというトラウマがある」として、税制改革についての与野党協議の必要性を強調して、増税で確保した財源は、環境や介護など雇用の創出につながる分野に充てる考えを示したと記事は伝えるが、増税を言揚げしたくない政治家は日本だけではないはず。「財政健全化だけでなく、成長と社会保障のあり方も含めた国会での議論の場を作っていこうと準備している」と述べ、財政健全化法案に経済成長や社会保障制度の将来像も盛り込む方針を示したとも記事は伝える。

財政健全化に向けた論点整理

 東京新聞が4月6日に掲出した「借金の対GDP比削減目標を明記 政府、財政再建の論点提示」〔共同〕は、政府が6日、財政健全化の目標設定に向けた論点整理を公表し、国内総生産(GDP)に対する国と地方の債務(借金)残高比率の削減を財政健全化のゴールと位置付け、社会保障費などを賄うための財源を確保するため、税制の抜本改革を促したと報じる。鳩山由紀夫首相は同日、「数字的なことも含めて、財政の方向性はこうだと示していく必要がある」と表明し、財政再建策には、数値目標や達成時期を明示する意向を示したとも。政府は論点整理を基に、23年度から3年間の予算の大枠を示す「中期財政フレーム」と、今後10年間の財政運営戦略を6月につくり、「財政健全化法」の立案も検討するが、債務残高などを柱とする手法は前政権までと同じで、独自色に乏しい内容となる可能性があると記事は伝える。論点整理は国家戦略室の有識者検討会がまとめたもので、今後の予算は「中期財政フレーム」に沿って編成すると強調しており、国と地方の長期債務残高は10年度末でGDPの約1・8倍に膨らみ、国債金利が上昇する可能性を指摘し、「財政は破綻へと向かう恐れがある」と警告したとの由。

公表資料:中期的な財政運営に関する検討会(第5回)配布資料
       中期的な財政運営に関する検討会 論点整理のポイント
       中期的な財政運営に関する検討会 論点整理

プライマリーバランス黒字化達成の目標年度は設定せず?

 時事が3月29日に掲出した「10年後の債務残高比率を重視=財政再建で論点整理へ−国家戦略室」は、政府の国家戦略室が29日、6月に策定する財政再建目標の論点整理に着手し、新たな目標として10年後の国内総生産(GDP)に対する債務残高比率を重視する方向で検討すると報じる。毎年度の歳出を抑制するため、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化など単年度収支に関する目標を併せて示せるかどうかが焦点となると記事は評する。戦略室は1月に「中期的な財政運営に関する検討会」を設置し、学者やエコノミストから意見聴取してきたが、来週にも論点を整理し、6月に向けて財政再建目標を含む「財政運営戦略」と23〜25年度の歳出・歳入の大枠を示す「中期財政フレーム」の策定作業を本格化させるとのこと。