財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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財政規律検討会と日経が名付けた会合

 日経が10月30日に掲出した「財政規律検討会が初会合」は、政府が30日、国家戦略室の下に置いた「財政に対する市場の信認確保に関する検討会」の初会合を開いたと報じる。国債発行や財政規律について、エコノミストや経済・財政の専門家から意見を聞き、予算編成に生かすもので、菅直人副総理(国家戦略担当相)は「どういう形で公債発行をすれば市場から信認を得ることができるか、方向性を見いだしたい」とあいさつしたとか。有識者として日本総合研究所の翁百合理事、三菱総合研究所の後藤康雄主席研究員、中央大の富田俊基教授を招いており、政府からは菅副総理のほか、古川元久内閣府副大臣、野田佳彦財務副大臣らが参加したとのこと。検討会では、後藤氏が現在の財政規律の問題点を解説し、「市場の信認を確保するためには財政の将来について青写真が必要」と指摘したとか。

事業仕分けWGに対して財務省が公共事業予算の見直しの原案を提示

 東京新聞が10月31日に掲出した「公共事業費減へ3方針 事業仕分け 財務省モデル案判明」は、予算の無駄を洗い出す行政刷新会議で「事業仕分け」を担当する民主党議員ワーキンググループに、財務省が提示した公共事業予算見直しの原案について、22年度概算要求で総額6兆円余の公共事業費の縮減に向けた三つの基本方針を示すと同時に、仕分け対象になり得る19の事業を挙げていると報じる。原案は基本方針として、(1)決算結果の予算への厳格な反映、(2)費用対効果の厳格な検証、(3)公益法人が行っている国道や河川・ダム、公園の維持管理コストの縮減、を示しており、決算結果を反映させる縮減策として、公共事業の翌年度への繰越額が20年度一般会計で約1兆2千億円に上り、一般会計の公共事業費全体の15%を占めると例示して、「恒常的に多額の繰越額を計上している事業は、実際の歳出に見合った予算規模とする必要がある」と指摘しているとか。費用対効果を検証する対象としては、道路事業や農村整備事業での工法、規格、入札方法の見直しを挙げたとのこと。仕分け対象となり得る事業には、廃止や類似事業への統合が可能な「国土・景観形成事業推進調整費」「まちづくり関係補助事業」、▽整備が相当進んでいる下水道と水道事業、空港修繕、▽緊急性の高くない河川環境整備、港湾の運動施設整備、など19項目を列記しているとか。議員グループは30日、原案を踏まえ、仕分け対象事業の選定に着手し、210程度の事業を仕分け対象にする方針を確認したとまこと。統括の枝野幸男元政調会長は記者団に、高速道路無料化などマニフェストの政策は対象外にする考えを表明し、対象事業の具体例として国際協力機構(JICA)や宿泊施設を持っている独立行政法人への支出を挙げたとか。

20年度の法人所得は35%減

 毎日jpが10月28日に掲出した「法人所得:20兆円減少、過去最大の下落幅 08年度」〔石丸整〕は、20年度に税務申告した全国の法人約280万5000社の所得総額が、前年度から20兆8370億円(35.4%)減り、37兆9874億円だったことが国税庁のまとめで分かったと報じる。データが残る昭和42年以降最大の下落幅で、企業業績の急速な悪化を裏付けていると記事は伝える。これまで下落幅が最大だったのは、第1次石油ショックの影響を受けて18.2%減った50年度で、平成20年度はこのほぼ2倍にあたるとか。一方、所得総額が40兆円を下回ったのは、38兆8968億円だった15年度以来で、申告税額も前年度から4兆8244億円(33.2%)減の9兆7077億円となり、15年度(9兆9503億円)の水準まで戻ったとのこと。黒字申告した法人の割合は、バブル崩壊までは6〜4割で推移していたが、初めて3割を下回り29.1%(約81万6000社)となっており、会社が社員の給料などから天引きした源泉所得税の総額は、前年度から9116億円(6.1%)減の14兆811億円となっていて、給与も減少していることがうかがえるとの由。

主計局が事業仕分けの対象をリストアップ

 47NEWSが10月29日に掲出した「事業仕分け、対象は総額5兆円超 「削減容易」6千億円」〔共同通信〕は、鳩山内閣の行政刷新会議が税金の無駄洗い出しのために実施する「事業仕分け」の対象として、21年度予算ベースで総額5兆3千億円分の事業がリストアップされていると報じる。22年度概算要求でも同規模になるとみられると記事は伝える。複数の関係者によると、国債費などを除いた政策経費である一般歳出と地方交付税を合わせた60数兆円分の事業から、財務省主計局がリストアップし、今月中旬に行政刷新会議に提出したもので、削減が容易な順に事業を「A」「B」「C」の3ランクに分類しており、関係府省の抵抗が少ないとみられる「削減容易」なAは約6千億円にとどまっていて、「困難」なBランクは約1兆8千億円、「相当困難」なCランクは約2兆9千億円とのこと。22年度概算要求は一般会計で過去最高の95兆円超で、仙谷由人行政刷新担当相は92兆円以下に圧縮したい意向を表明しており、民主党議員を中心とする事業仕分けのワーキンググループが財務省リストを基に200程度の対象事業を決定し、要不要を精査する事業仕分け作業を11月中に集中的に行う見通しだが、目標達成にはB、Cランクから2兆4千億円以上の削減が必要となる計算で、関係府省との調整が難航するのは確実と記事は伝える。ただ、行政刷新会議は一般会計だけでなく、特別会計の見直しや独立行政法人、国立大学法人、公益法人向け支出も削減対象に加え、財源捻出を図る方針とも記事は伝える。

財制審の建議は不要になった

 毎日jpが10月28日に掲出している「藤井財務相:財政審の建議は「不要」 「新しい仕組みある」」〔平地修〕は、藤井裕久財務相が27日、翌年度の予算編成の方向性を提言してきた財政制度等審議会の建議(意見書)の提出を今年は受けないことを明らかにしたと報じる。財政審は蔵相(現財務相)の諮問機関として昭和22年に設置され、43年度から毎年建議を提出してきているが、藤井財務相は「政権交代もあり、(国家戦略室など予算編成の)新しい仕組みもできた」と、理由を説明したとか。例年、年末に提出されてきた建議は、公共事業費や社会保障費の抑制など財政健全化のための方策などが盛り込まれてきているが、財政審は政権交代後、休止状態が続いており、今後のあり方について藤井財務相は「検討を要する」と述べるにとどめたとのこと。また、財務省は27日、予算編成を担当する主計官会議を開き、藤井財務相が来年度予算の編成に向けて、概算要求が過去最大の95兆円に膨らんだ予算削減の徹底などを指示し、「責任は政治が負う」と各主計官を激励し、年内の予算編成の実現や、行政刷新会議との連携も要請したとの由。

関連:平成20年度予算の編成等に関する建議(2007.11.19)

金利が上昇

 日経が10月27日に掲出した「長期金利、1.4%に迫る 財政不安と景気期待、上昇圧力根強く」は、長期金利がじりじりと上がっており、26日の債券市場では指標の新発10年物国債利回りが一時、前週末より0.035%高い1.395%まで上昇して、約2カ月半ぶりの水準をつけたと報じる。鳩山政権の財政運営に対する不安感を映す「悪い金利上昇」と景気改善への期待感からくる「良い金利上昇」との双方の要因がからみ合い、1.4%台に入るのは時間の問題と記事は伝える。市場には「夏場にかけて銀行勢が余剰資金を国債に振り向ける動きが強かった。長期金利が今度上がっても、到達点は1.35%止まりではないか」という楽観論も漂っていたが、節目はあっけなく通り過ぎたとか。

要求側が減額

 毎日jpが10月25日に掲出した「<長妻厚労相>2兆円削減を指示、公益法人支出など対象に」は、長妻昭厚生労働相が22年度当初予算の概算要求から2兆円の削減を目指すよう省内に指示したと報じる。同省関係者が24日、明らかにしたとか。厚労省が15日に行った概算要求は一般会計で28兆8894億円、特別会計で81兆4139億円で、一般会計は21年度当初予算を約3.7兆円上回ったうえ、さらに金額を明示せずに予算化を求めた「事項要求」も2兆円分に上るとか。長妻厚労相は公益法人への支出などを削減対象とする意向を示したとのこと。

社会実験に何千億も要るのか

 毎日jpが10月26日に掲出した「高速無料化:「国交省の要求は過大」 財務相、大幅削減の意向」〔平地修〕は、藤井裕久財務相が25日、フジテレビの報道番組で、国土交通省が22年度予算の概算要求に盛り込んだ高速道路無料化関連経費(6000億円)について「社会実験に何千億もいるのか。そういう段階ではないと思う」と述べ、大幅に削減する考えを明らかにしたと報じる。高速道路無料化は民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)の目玉政策の一つで、24年度までに段階的実施を目指しており、22年度から地域限定で試行(社会実験)する予定だが、藤井財務相は、「マニフェストは修正しない」としながらも、「(国交省が概算要求で)相当高く出していることは問題」と指摘し、過去最大の95兆円超に達した概算要求を圧縮するため、今後の査定作業で、マニフェスト関連の施策も聖域とせずに削り込む意向を示したとか。

各省に予算執行監視チームを設置することを閣議決定

 MSN産経ニュースが10月23日に掲出した「予算編成改革を閣議決定 「執行監視チーム」設置など」は、政府が23日午前の閣議で、平成22年度予算から予算の執行状況のインターネット公開や、年度末の予算使い切りを防ぐための「予算執行監視チーム」を各省に設置することなどを柱とする予算編成改革を決定したと報じる。予算編成改革は国家戦略室の「予算編成のあり方検討会」が作成し、閣議前の予算編成の関する閣僚委員会で決めたもので、検討会は23〜25年度の3年間で歳入見込みと各分野の歳出削減策などを盛り込んだ「中期財政フレーム」を策定し、中長期的な財政規律のあり方を含めた「財政運営戦略」を定める方針も打ち出しているとか。

 

事業仕分けは11月中旬から下旬にかけて実施

 朝日が10月22日に掲出した「行政刷新会議が初会合 首相「歳出削減、できる限り」」は、予算の無駄を洗い出す行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)の初会合が22日午前、首相官邸であり、事業の見直し作業が本格的に始まったと報じる。約95兆円の来年度予算の概算要求に盛り込まれた約3千の事業のうち、大幅圧縮や廃止を見込める約240事業を選定し、査定するとのこと。公益法人や特別会計が関連する事業も見直し、総額3兆〜4兆円の削減を目指す方針と記事は伝える。会議冒頭、鳩山首相は「税収が大幅に落ち込むのではないかと懸念されるなか、歳出の削減に向けてできる限り切り込んでいかなければならない」と強調し、その後の各省の副大臣・政務官への説明会で仙谷由人行政刷新相は「今後は『我が省』という言葉を禁句として、『我が省』の主張ではなく、内閣の一員たる査定三役の一員であることを自覚し徹底した歳出削減に尽力頂きたい」と指示したとか。民間議員の稲盛和夫・京セラ名誉会長は会議後、記者団に「景気の二番底が言われている。削減をしていくと景気にいい影響は及ぼさない。それを承知の上で国民に一つ辛抱して頂きたい。まず無駄を省いて、筋肉体質に変えていけば、次の景気回復の時にはいままで以上に回復していけるはずだ」と語ったとのこと。刷新会議は首相と5閣僚、稲盛氏や前鳥取県知事の片山善博・慶応大教授ら5人の民間議員で構成され、地方自治体の「事業仕分け」で実績のあるシンクタンク「構想日本」の加藤秀樹代表が事務局長を務めるとのこと。仕分け作業は、刷新会議のもとに置かれた「国交・総務・財務・環境」「厚労・外務・経産」「農水・文科・防衛」の三つのワーキンググループが11月中旬〜下旬に実施し、全面公開するとか。民主党の枝野幸男元政調会長ら約30人の国会議員や、各省の副大臣・政務官、民間スタッフが「評価者」になるとのこと。