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日経が9月28日に掲出した「政府の審議会、「休眠」相次ぐ 「政治主導」で金縛り」は、民主党による政権交代を受け、政府の審議会が相次いで「休眠状態」に陥っていると報じる。「政治主導」を掲げる民主党政権が、官僚主導による政策決定の「隠れみの」との批判が多い審議会に距離を置いているためで、新しい政策の導入や中長期的な政策プランについて有識者らのお墨付きを得て、利害関係を調整してきた従来の「審議会方式」は曲がり角を迎えていると記事は評する。財政政策について、「ご意見番」の役割を担ってきた財務省の財政制度等審議会は、これまで翌年度の予算案について、9月に予算編成で取り組むべき課題を選定する議論に着手し、11月には審議会の意見を「建議」の形で公表して、予算案への反映を求めてきたが、今年は日程が「白紙状態」(同省主計局)で、動かないまま10月を迎えそうと記事は伝える。
東京新聞は9月15日に「民主に財政の逆風 税収が国債以下に」〔吉田通夫〕を掲出。
記事は、7日に民主党の直嶋正行政調会長と財務省幹部が会談した際に、財務省が民主党に対し、21年度一般会計予算で見込んだ国税収入の46兆1千億円が、「2兆円プラスアルファ下振れする」と説明していたと報じる。景気低迷により法人税収などが減少することが要因で、税収が同年度中の国債発行額44兆1千億円を下回る戦後初の事態に陥るのは確実で、新政権は、船出から財政難の現状を突きつけられることになると記事は評する。財務省は、企業の中間決算を確認したうえで、11月以降に税収の減額幅を精査するとのこと。21年度の国の税収見積もりは昨年末に策定したもので、政府経済見通しの「ゼロ成長」を基に、当時の20年度税収見積もりだった46兆4千億円並みの46兆1千億円と算出したが、今年4月に21年度の政府経済見通しをマイナス3・3%に下方修正しており、7月には20年度の税収が想定を2兆1千億円下回る44兆3千億円と確定して、計算の“土台”が次々と崩れたと記事は伝える。20年度税収にマイナス3・3%を掛け合わせた単純計算では、21年度の税収は43兆円を割り込むことになるとか。さらに、政府は6月に景気底打ちを宣言したとはいえ、経済活動は低水準で、日銀の企業短期経済観測調査(日銀短観)で企業は大幅な減益予想を立てており、厳しい賃金環境も反映して法人税や所得税の大幅な落ち込みが見込まれるとのこと。政府内には「5兆円程度下振れして41兆円台になる」(政府関係者)との見方もあるとか。民主党は21年度補正予算の見直し作業中だが、「景気回復が確実になるまでは、歳出をカットすることはできない」(民主党幹部)として、ねん出した財源は独自の政策に振り向ける方針。歳出をカットしない場合は、国債の増発など税収の穴埋め策が必要になるとの由。ただ、鳩山由紀夫代表は国債増発に慎重姿勢であり、特別会計の積立金や剰余金を「霞が関埋蔵金」として財源に当て込むが、21年度当初予算に6兆6千億円を流用したため枯渇した、という見方があり、どの程度“掘り起こし”が可能なのかは不透明と記事は伝える。