財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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行政支出総点検会議が提言の予算への反映状況を確認
 毎日は12月26日に「<ムダゼロ会議>09年度予算の反映状況確認 事実上閉店」〔坂口裕彦〕を掲出。
 記事は、政府の行政支出総点検会議(座長・茂木友三郎キッコーマン会長)が26日に首相官邸で8回目の会合を開き、21年度一般会計予算案で、国などから公益法人への支出を18年度比で約4割(3651億円)削減したことなど、提言の反映状況を確認したと報じる。「行政のムダ」削減は1兆円に達したが、「景気重視」の21年度予算案は過去最大に膨らんでおり、行政のムダを追及してきた同会議だが、景気対策で財政出動圧力が強まっていて事実上の店じまいとなると記事は評する。提言はこのほか、特別会計支出を約5600億円削減、▽省庁のレクリエーション費全廃、▽広報経費やタクシー代を20年度比で30%以上削減(557億円)、などが反映されたとか。同会議は、福田政権の今年8月に発足したが、世界的な金融危機の影響が実体経済にまで及んで、政府は追加経済対策や雇用対策などに忙殺され、政府が歳出増にかじを切るほど、反比例的に同会議の存在感は薄まったと記事は伝える。茂木座長も26日の記者会見で、「タクシー代などはかなりの成果が出た。財政出動が増える中、無駄を減らした意味は大きい」と述べ、やむなしとの認識を示さざるを得なかったと記事は評する。今後は、各省が自律的に無駄の削減をしているかチェックするため、「必要あれば開催」(茂木氏)する程度になるというのが記事の見方。
無駄を5500億円削減した21年度予算
 読売は12月24日に「09年度予算案、「無駄遣い」5500億円カット…財務省
09年度予算」を掲出。
 記事は、財務省が24日、政策の「無駄遣い」をチェックして、21年度予算案の政府案(一般会計ベース)で約5500億円の支出を抑えたと発表したと伝える。道路特定財源からの流用が問題となった省庁のレクリエーション経費を原則廃止したほか、「居酒屋タクシー問題」で批判されたタクシー代を3割以上カットするなど行政コストだけで計557億円を削減し、また、官僚の天下り先となっている2000以上の公益法人や独立行政法人向けの21年度の支出は5551億円と、18年度実績に比べて3928億円削減されたとのこと。随意契約の一般競争入札への移行や委託事業の見直しなどを進め、政府の行政支出総点検会議が求めた削減目標にほぼ沿った結果となったと記事は評する。

公表資料:徹底した無駄の削減
民主党の「税制抜本改革アクションプログラム」
 共同は12月24日に「消費増税検討は13年度以降 民主税制プログラム決定」を掲出。
 記事は、民主党が24日の税制調査会総会で政権獲得後の税制改正指針となるアクションプログラムを決定したとして、その内容について、消費税率引き上げを将来の検討課題とし、引き上げる場合には「引き上げ幅を明らかにし総選挙で国民の審判を受け具体化する」としたと報じる。引き上げの具体的検討は13年度以降となるとか。政府と与党の税調二重構造を抜本改革して政府内に国会議員の税調機関を新設するほか、衆参に税制や歳入を扱う常任委員会を設置すると記事は伝える。
 時事が掲出した「政府税調は国会議員で=09年度税制改革大綱−民主」は、この「税制抜本改革アクションプログラム」について、税制改正の手続き面の見直しに重点を置いており、政権奪取時には国会議員だけで構成する新しい政府税制調査会を設置するとしていること、各税目では、道路特定財源の暫定税率廃止を改めて打ち出し、税率維持を掲げる与党との違いを強調したほか、住宅投資減税制度の新設も盛り込んでいると報じる。そして、税制改正の手続きでは、現行政権下の政府と党の両税制調査会を廃止し、新しい政府税調を設置して、各省庁には税制担当政務官を配置し、国会審議のあり方も見直して、衆参両院に税制を含めて歳入全般を議論する「歳入委員会」を設けると報じる。
地方税収のピークは19年度
 朝日は12月19日に「地方税収、過去最大4兆円減に 09年度見込み」を掲出。
 記事は、総務省が19日、21年度の地方税収の見込み額が36兆1860億円になると発表したと伝える。20年度当初見込みよりも4兆2843億円少なく、前年度からの減少額は過去最大とか。景気後退で法人事業税、法人住民税の法人2税が大きく減ることなどが響いたと記事は伝える。20年度の税制改正では、都市部に偏りがちな法人事業税の約半分を国税に衣替えし、21年度から地方法人特別譲与税として税収の少ない自治体に手厚く配分する仕組みにしているが、これに伴う地方税の減収を差し引いても、3兆4747億円の減少とのこと。税目別に見ると、法人事業税3兆696億円(前年度比47%減)、法人住民税2兆6639億円(32%減)、ほかにも自動車取得税2533億円(37%減)、軽油引取税9277億円(6%減)、不動産取得税4507億円(5%減)など、消費冷え込みの影響が表れたとか。地方税収は20年度、過去最高の40兆4703億円を見込んでいるが、これも1兆8千億円ほど落ち込む見通しで、過去の税収(決算額)は15年度の32兆1894億円を底に上昇を続けてきたが、19年度の39兆5273億円をピークに下降に転じることになるとのこと。
法人税収36%減を見込む悲惨な21年度予算
 東京新聞は12月21日に「借金体質さらに悪化 景気を優先 新規国債増」〔吉田通夫〕を掲出。
 記事は、21年度予算の財務省原案について、景気悪化による税収減と経済対策や社会保障のための歳出増という収支ギャップの広がりを埋めるため、新規国債という新たな“借金”に頼らざるを得ない現状を浮き彫りにしたと評する。国が新たな借金に頼らずに運営できるかどうかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、赤字幅が13兆503億円と20年度当初予算の2倍超に悪化し、23年度までに国と地方を合わせて黒字化するという政府目標は絶望的状況に追い込まれたと記事は伝える。税収は、21年度の一般会計税収見通しが、20年度当初と比べて13・9%減の46兆1030億円となり、当初予算ベースで5年ぶりに減少に転じており、50兆円を割るのは3年ぶりとか。減収の大半は法人税の減少分で、36・9%も落ち込んで10兆5440億円と、平成に入って最大の減少幅とか。このほか、ほぼすべての税目が減少する見込みで、所得税は4・3%減の15兆5720億円、消費税も5・1%減の10兆1300億円を見込んでいるとのこと。片や、歳出は増える一方で、政策に充てる経費である一般歳出は51兆7310億円と過去最大にのぼり、麻生政権が「3年以内の景気回復」を掲げて矢継ぎ早の経済対策を打ち出したほか、基礎年金の国庫負担割合引き上げなど高齢化に伴う社会保障費も大幅に増加するためと記事は伝える。既発債の利払いや償還費といった過去の借金を返すための「国債費」も、過去3番目に高い20兆2437億円にのぼり、収入は減るのに、出て行くカネは増える一方で、収支の差を埋めるため、政府は新規国債に頼らざるを得ず、20年度当初と比べて7兆9460億円増の33兆2940億円の発行とのこと。当初予算ベースでは5年ぶりの増加で、歳入に占める割合は37・6%と7・1ポイント悪化し、当初予算としては18年度の水準に逆戻りしたとのこと。さらに、予算編成の前提である政府経済見通しは実質ゼロ成長と楽観的なため、民間シナリオに沿ってマイナス成長に陥れば、税収が不足して年度途中に赤字国債の追加発行を迫られる可能性が高まることになり、市場では「財政再建路線は大幅に後退した」との見方が大勢とか。
20年度の国家公務員は2500人の純減
 日経が12月21日に掲出した「国家公務員2500人純減方針 政府、09年度定員」は、政府が20日、21年度の国家公務員の定員を20年度末に比べ2500人程度純減させる方針を固めたと報じる。削減対象は主に農林水産省の出先機関などで、治安悪化への対応や消費者保護に関係する職員、在外公館職員は増やす方向であり、20年度末の国家公務員の定員約32万4000人自体は約1万4800人減る計算だが、社会保険庁から日本年金機構に移る職員が約1万2300人含まれているため、純減は2500人程度にとどまると記事は伝える。
日経は数千億円の削減を評価に値しないと考えている?
 日経が12月21日に掲出した「公益法人向け支出、37%減 09年度予算案、06年度比で」は、政府が21年度予算案で、公益法人向けの支出を18年度比で37%以上削減すると報じる。公益法人が国の補助金でつくった基金についても見直し、一部を国庫返納するとか。中央省庁のタクシー代や広報経費は20年度比で25%減らすとも。歳出削減を進め、消費税率引き上げなどに向け国民の理解を求める考えと記事は伝える。24日に閣議決定する予算政府案で削減対象や額を公表するが、全体の削減額は数千億円にとどまることから、取り組みの甘さを指摘される可能性もあると記事は評する

 「数千億円にとどまる」という発想が理解できない。「兆円」単位でないと評価しない常識人が存在するのだろうか。
広域異動手当を地域手当と重複支給してはならない?
 日経は12月22日に「社保庁後継組織、転勤者向け手当に批判 民間では一般的でなく」を掲出。
 記事は、社会保険庁の後継組織として22年1月に発足する日本年金機構の職員手当に関し、同庁が転居を伴う転勤者を対象に「広域異動手当」の支給を検討しているが、民間企業では一般的でないうえ、異動先地域の民間企業との賃金水準差を埋めるための「地域手当」と二重取りになる可能性もあると報じる。国家公務員の給与のあり方を定める給与法によると、60キロメートル以上異動すると広域異動手当が支給されるが、地域手当の対象地域と重複する場合は、地域手当を優先して払う規定となっているとか。
国債発行増を抑制するために財政投融資特会の積立金を取り崩す
 時事は12月17日に「埋蔵金」流用、10兆円規模=綱渡りの財政運営に−08〜10年度・政府」を掲出。
 記事は、政府が、麻生太郎首相が「日本経済は全治3年」と指摘した20〜22年度の財政運営を、「霞が関埋蔵金」と呼ばれる特別会計の剰余金・積立金から10兆円規模を流用してやり繰りする方向と報じる。期間中は景気対策で大規模な財政出動が必要とされる一方、深刻な税収不足も予想され、借金である国債の新規発行額を少しでも抑えるため、財政当局は綱渡りの対応を強いられると記事は評する。財源に充てる埋蔵金の大半は、財政投融資特別会計に積み立てられている金利変動準備金で、既に10兆円の積立金があり、当面は年1兆〜2兆円程度の剰余金が発生する見通しとか。
首相のメンツは守れるのか
 読売は12月17日に「「勝手に書けばいい」消費税明記の原案提示、与党に反発の声」を掲出。
 記事は、政府が16日の経済財政諮問会議で、23年度の消費税率引き上げを明記した税制抜本改革の「中期プログラム」原案を提示したことを受け、与党が17日に額賀福志郎・元財務相を座長とするプロジェクトチーム(PT)を発足させ、原案への対応について協議を開始すると報じる。与党では「原案は、与党の税制改正大綱の内容をはみ出している。賛成は難しい」(公明党幹部)と冷ややかな声が出ており、首相が目指す閣議決定までには、曲折がありそうと記事は伝える。公明党は与党PTのメンバーに坂口力・元厚生労働相を加えており、坂口氏は与党税制改正大綱を巡る調整で、消費税引き上げ時期明記に最も強硬に反対した「論客」で、自民党が当初示した「消費税を含む税制抜本改革を11年度から開始し、15年度までに実施する」との文言を事実上、撤回させた経緯がある。坂口氏の参加に、自民党幹部は「調整難航は間違いない。与党税制大綱に続き、『衆院での再可決に必要な3分の2の賛成ができなくなる』と再び公明党が揺さぶりをかけてくる可能性が高い」と語っているとか。公明党幹部は「首相が原案をそのまま閣議決定しようとすれば、党の閣僚(斉藤環境相)は署名できないのではないか」と指摘しているとのこと。自民党内でも、「首相のメンツをつぶしてはいけないため、引き上げ時期の明記反対を声高に叫ぶ議員はいないが、『引き上げ時期明記は、衆院選前はやめてほしい』と思っているのが多数だ」(閣僚経験者)との見方が大勢で、「11年に麻生氏が首相であるとは限らないのだから、勝手に書けばいい」との声も出ているとか。首相は16日の経済財政諮問会議で、「責任与党たるもの、カネを使うことばかりをやっているわけにはいかない。原案に沿って、与党にも議論いただき、政府として決定したい」と述べ、増税時期の明記に反対する与党を強くけん制したとか。首相周辺は、「首相は記者会見などで『3年後の消費税率引き上げ』を再三宣言してきた。消費税問題でぶれたら首相は終わりだ。これだけは、譲れない」と解説していると記事は伝える。

 消費税でぶれている民主党との選挙を考えていると見るのが自然。