毎日は11月30日に「<ムダ・ゼロ会議>3500億円削減可能 公益法人への支出」〔坂口裕彦〕を掲出。
記事は、行政の無駄を21年度予算から削るため政府の「行政支出総点検会議」(座長・茂木友三郎キッコーマン会長)がまとめた提言案について、国などから公益法人への支出を18年度比で37%(約3500億円)削減可能と指摘し、公共事業と政府開発援助(ODA)も、20年度からの5年間で19年度比15%のコスト削減を求めていると報じる。ただ、景気の悪化を受けて政府・与党内で歳出圧力が高まっており、提言がどこまで予算編成に反映されるか、不透明な部分もあると記事は伝える。
12月1日の会議で正式に決定し、茂木座長が麻生太郎首相に提出するとのこと。提言は
公益法人に関し、(1)事業を廃止・縮小する、(2)競争性ある契約方式へ移行する、ことなどを明記し、それらの実施で21年度は、18年度から約4100億円の支出減は可能と試算し、新規事業分があっても約3500億円削減できるとしたとか。「居酒屋タクシー」が問題化した各府省のタクシー代は20年度比で25%以上削減し、
深夜帰宅のタクシー利用は午前0時半以降に限定するとのこと。
広報経費・委託調査費も同年度比25%以上減らし、
公務員のレクリエーション費も原則廃止するとか。行政の無駄がなくならない背景を「職員一人一人のコスト意識が乏しい」と指摘し、
各府省に21年1月末までにプロジェクトチーム設置を求めるとのこと。特別会計では「依然、不要不急の事業が行われている」とし必要な剰余金や積立金の基準額を国民に説明するよう促し、5兆4000億円の積立金が見込まれる労働保険特別会計の失業等給付は「国費投入を行わないことを含め、見直すべきだ」としたとのこと。地方自治体も「問題意識を共有すべきだ」と強調し、▽福利厚生事業や補助金の見直し、▽地域の民間給与水準を公務員給与に一層反映させる、などを総務省が地方自治体に働きかけるよう促すとか。同会議は20年7月、福田康夫首相(当時)が「ムダ・ゼロ政府」を掲げ、行政と関係の深い公益法人への政府支出の3割削減を表明したのを受けて発足したもので、東国原英夫・宮崎県知事やジャーナリストの嶌信彦氏らがメンバーとなっており、行政の無駄を削ることで消費税引き上げに向け国民の理解を得る狙いもあったとか。