財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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政府の中期税制方針
 共同は10月26日に「10年代半ばまでに抜本改革 政府の中期税制方針」を掲出。
 記事は、麻生太郎首相が政府・与党に策定を指示した税制抜本改革の中期プログラムの基本方針の内容について、今後3年間は世界的な金融危機を踏まえて景気回復を最優先させ、減税を先行して実施し、その後、消費税率の引き上げを念頭に、社会保障の安定財源を確保する税制改革を2010年代半ばまでに段階的に実行するとしていると報じる。基本方針は30日にもまとめる追加経済対策に盛り込んで年末までにプログラムを策定し、中期的な財政規律の道筋を示すことで、定額減税や住宅ローン減税のほか追加歳出が並ぶ経済対策とのバランスを取ると記事は伝える。基本方針は、(1)個人・法人の所得課税、(2)相続税などの資産課税、(3)消費税、の税制改革の方向性を示すとし、総合的な税体系を見直す中で、消費税率引き上げを検討する方向性を示唆するとか。
社会保障の安定財源を確保するための中期計画
 日経は10月26日に「「消費税」争点化で波紋 中期財源計画 選挙へ影響懸念」を掲出。
 記事は、社会保障の安定財源を確保するための中期計画が、波紋を広げていると報じる。策定を指示した麻生太郎首相は消費税率引き上げも含めた道筋を示し、民主党との対立軸を鮮明にしたい構えだが、衆院解散・総選挙を控えて「増税」が焦点になりかねないと苦慮する声も与党内にはあると記事は伝える。自民党の細田博之幹事長は24日の記者会見で「全体で10項目近くあるのに、一部を取り上げるのはおかしい」と、首相指示のうち消費税ばかりに焦点が当たる現状に不安を隠さなかったとか。
追加経済対策はリフォーム減税など6項目
 日経は10月24日に「追加経済対策、リフォーム減税など6項目が柱」を掲出。
 記事は、河村建夫官房長官が24日の閣議後の閣僚懇談会で説明した、追加経済対策に関する麻生太郎首相から与党への指示について、(1)住宅ローン減税は所得税からの最大控除可能額を過去最大に、(2)環境や高齢化に配慮した住宅リフォーム減税、(3)省エネ設備などへの投資の即時全額償却、など6項目が柱と報じる。リフォーム減税は高齢者が住みやすいよう改築した場合などに投資の一定額を所得税から控除する仕組みを想定しており、省エネ対策では企業の投資を初年度に全額損金算入できるようにし、法人税の負担軽減で投資促進につなげる狙いとのこと。24日の閣議後の記者会見では、住宅ローン減税について関係閣僚からの意見が相次ぎ、金子一義国土交通相は所得税で控除しきれない分は地方税の個人住民税から差し引くべきだと強調し、ローンを組まずに住宅購入やリフォームを行う人向けに費用の一定額を所得税から税額控除する「投資減税」の導入も進めるとしたとか。
与謝野大臣が見識を示す
 時事は10月21日に「定額減税、「埋蔵金」活用を容認=実施には所得制限も−与謝野経財相」を配信。
 記事は、与謝野馨経済財政担当相が21日の閣議後会見で、定額減税の財源に関し、「特別会計に存在するお金を一時的に転用するのは、現在の経済状況ではやむを得ない」と述べ、「埋蔵金」と呼ばれる財政投融資特別会計の剰余金の活用を容認する考えを表明しつつ、「借りたものはいずれ返さないといけない。そう長い間使う金ではない」と語り、活用には時限立法や将来の財源確保など一定の制限が必要との認識を示したと報じる。与謝野経財相は定額減税について「経済対策ではなく社会政策として議論が始まった」と指摘し、「高い所得層への定額減税に社会政策的な意味があるのかという根本的な問題に答えないといけない」と述べ、所得制限の必要性を強調したとのこと。

 まったくだ。
医療・介護を「あるべき姿」に改革した場合に消費税4ポイントアップ
 毎日は10月23日に「社会保障費試算:消費税最大15.5%上げ必要」〔吉田啓志〕を掲出。
 記事は、政府が23日、社会保障国民会議(座長・吉川洋東大大学院教授)のサービス保障分科会に、人手不足に対応したスタッフの増員など、医療・介護を「あるべき姿」に改革した場合、37年には消費税率換算で4%(1%=4兆円)程度増税する必要があるとの試算を示したと報じる。現状のままでも3%程度の増税が必要とか。政府は先に、年金改革に関し、最大で11.5%の財源が必要との試算も示しており、これらを合わせると、年金、医療、介護の社会保障改革により、消費税率は最大で20.5%程度に達する計算になると記事は伝える。医療・介護の試算は、改革を手がけないAシナリオに加え、「緩やかな改革」のB1、「大胆な改革」のB2、「さらに進んだ改革」のB3の計4ケースで実施しており、Bシナリオは、いずれも医療・介護職員を大幅に増員するもので、手術などが必要な非慢性病(急性期)治療に人、カネを集中して、平均入院日数を短縮するとともに、在宅医療・介護を進める内容で、19年の医療・介護職員は計385万人だが、B1シナリオはこれを最大641.3万人とするほか、B2は678.7万人に、B3は684.4万人にそれぞれ増やすとしているとか。この結果、19年に国内総生産(GDP)比7.8%だった医療・介護費(40兆円)は、B1なら11.6%(92兆円)、B2も11.6%(91兆円)、B3は11.7%(92兆円)に膨らみ、B1〜3シナリオとも税財源のGDP比は4.9%で、19年の3.1%から1.8ポイントアップするとのこと。その差1.8%分(14兆円)が国民の税負担増となり、消費税だと4%程度とか。同様に保険料も消費税で3%程度(12兆円)増えるとのこと。政府管掌健康保険なら、いまの保険料率8.2%(労使折半)が10%程度になる計算とか。改革の度合いを強めるほど効率化も進むため、Bシナリオの費用、負担増はほぼ同じ結果となり、改革をしないAシナリオでも、高齢化に対応した人員増が必要となり、消費税率換算で3%程度の税負担増となるとのこと。公表済みの年金の試算は、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げる政府方針実現に消費税1%が必要としており、税方式とするには、これに加え最大10.5%の追加負担を要するとのこと。なお、消費税1%に相当する金額は現在約2・5兆円だが、試算は24年以降の物価上昇率を1%などとしているため、37年時点では1%が約4兆円になると計算しているとか。記事が伝える、37年の年金、医療・介護の試算パターンごとの税負担見通し(カッコ内は追加負担額、%は消費税率換算)は次のとおり。
■年金
改革せず       14兆円(ゼロ)
最低保障年金創設   15.2兆円(1.2兆円、0.5%)
税方式1(一律給付) 34兆円(20兆円、5%)
税方式2(未納分減額)29兆円(15兆円、3.5%)
税方式3(納付分加算)45兆円(31兆円、8%)
税方式4(旧制度の年金全額加算)56兆円(42兆円、10.5%)
■医療・介護
改革せず       36兆円(11兆円、3%)
B1〜3シナリオ   39兆円(14兆円、4%)
追加経済対策
 毎日は10月23日に「麻生首相:住宅ローン減税など3項目指示 追加経済対策」〔三沢耕平、木下訓明〕を掲出。
 記事は、麻生太郎首相が23日、首相官邸で自民党の保利耕輔、公明党の山口那津男両政調会長らと会談し、同日与党がまとめた追加経済対策に関し、(1)住宅ローン減税を過去最大規模にする、(2)一般財源化される道路特定財源から1兆円規模の財源を地方に回す、(3)社会保障の安定財源確保に向けた中期プログラムを取りまとめる、の3項目の検討を指示したと報じる。首相は席上、「財源問題で逃げてはいけない」と強調したとか。会談で、与党側が首相に提出した追加経済対策案は、定額減税や住宅ローン減税の拡充などの政策減税が柱で、政府は30日の取りまとめを目指し、与党と各施策の規模や財源の調整に入ると記事は伝える。追加対策の事業規模は総額20兆円程度で、財政支出を伴う「真水」は5兆円程度に膨らむ見通しとか。政府・与党は追加経済対策を20年度2次補正予算と21年度当初予算を通じ実施する方針で、財源は財政投融資特別会計の余剰金や建設国債の発行などを想定しているとか。与党案では、介護報酬の引き上げや中小企業の法人税率の時限的な引き下げ措置を新たに盛り込んでおり、首相は30日に記者会見をし、政府の追加経済対策を発表する方向で調整しているとか。記事によると、与党がまとめた主な追加経済対策案は次のとおりで、筆者が付けた「要財源」は少ない。
■生活者の暮らしの安全
・定額減税、特別給付金の支給 ←要財源
・雇用保険料引き下げ
・介護報酬の引き上げ ←要財源?
■金融・経済の安定強化
・金融機能強化法の復活
・証券優遇税制
・中小企業の法人税率引き下げ
・省エネルギー・新エネルギー設備投資減税
・海外子会社からの配当金の非課税化
・中小企業の資金繰り支援の拡充 ←要財源?
■地方対策
・高速道路料金の引き下げ ←要財源
・公共施設等の地域経済臨時交付金の創設 ←要財源
・住宅ローン減税の延長・拡充
できるだけ出したくない赤字国債
 ロイターサイトは10月14日に「追加経済対策は赤字国債出さずに対処=麻生首相」〔東京 14日 ロイター〕〔ロイター日本語ニュース 吉川裕子、武田晃子〕を掲出。
 記事は、麻生太郎首相が14日午後の参院予算委員会で、追加経済対策の財源問題に関連して、20年度税収が当初見通しより落ち込むことと経済対策の財源は分けて考えないといけないと述べ、その上で、追加経済対策では赤字国債を出さずに対処したいとの考えを示したと報じる。麻生首相は、法人税が減収になるとの見通しを示したものの「その分の話と景気対策の話は分けて考えないといけない」と述べたとか。追加経済対策では「赤字国債を出さずに済まさなければならない」との認識を示したとのこと。与謝野馨経済財政担当相は同委員会で、赤字国債に関連して「できるだけ出したくないという表現は、良く考えればいろいろな可能性を含んでいる表現」と述べたとか。
行政支出総点検会議のWTが活動している
 日経が10月14日に掲出した「行政支出総点検会議、空港周辺振興に異論」は、政府の行政支出総点検会議(座長・茂木友三郎キッコーマン会長)の第一ワーキングチームが14日、国土交通省から来年度概算要求に関して意見聴取し、同省が新規事業として要求している空港周辺地域振興交付金(仮称)について「空港の需要予測の誤りを補うための追加支出は避けるべきだ」との異論が出たと報じる。道路建設の際の費用便益分析の水準が海外に比べて低すぎるとの意見もあったとか。
20年度税収見込みを減額修正の方向
 日経が10月16日に掲出した「国の税収、減額修正へ 2年連続、数兆円規模」は、政府が20年度の国の税収(一般会計)を減額修正する方針と報じる。世界的な景気減速で法人税収の下振れが確実になったことが背景となっており、減額幅は今後調整するが、数兆円規模に膨らむ見通しで、税収の低迷が、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化など政府の財政健全化目標にも影響する可能性が出てきたと記事は伝える。補正予算での税収見積もりの減額は2年連続とか。20年度当初予算での国の一般会計税収は約53兆6000億円だが、この見積もりの前提とした19年度の税収は決算段階で補正予算を約1兆5000億円下回っていた。
準備率引き下げによる余剰をバラマキに使おうとしている
 朝日は10月16日に「定額減税に埋蔵金流用検討 財政投融資特会から3兆円」を掲出。
 記事は、新しい総合経済対策の目玉に位置づける定額減税の財源として、与党が財政投融資特別会計(財投特会)の金利変動準備金の一部を充てる方向で検討に入ったと報じる。今年度分で余った準備金は約3兆円あり、赤字国債の増発を避けるため「埋蔵金」として流用する考えだが、この3兆円は本来借金返済のための原資で、減税の財源に使うのは総選挙目当てのつじつま合わせの色が濃く、「隠れ借金」といった批判も出そうと記事は評する。定額減税は、年収に関係なく所得税や住民税などから同じ額を差し引く仕組みで、与党は新経済対策に盛り込む方針を確認しているが、その規模をめぐって、導入に積極的な公明党は「4人家族で6万5千円以上」の実施を主張しており、そのためには、2兆円を超える財源が必要とされるが、一方で、麻生首相は経済対策の財源として「赤字国債を出したくない」と再三表明しており、公明党もこの点では一致しているとのこと。このため、定額減税の財源をどう工面するかが焦点になっていたが、与党が財投特会の準備金に着目したのは、今年度は準備率を引き下げた関係で、準備金の不要分のうち、約3兆円が執行されずに残っているからで、与党は、準備金を活用すれば「赤字国債の発行に頼らずに財源を生み出せる」(公明党幹部)と見ているとのこと。だが、今年度は、景気後退の影響から大幅な税収減が予想されており、税収減の穴埋めなども含め、「兆円単位の赤字国債の増発が避けられない」(財務省幹部)との見通しが強く、さらに、財投特会では、法律で準備金の必要水準を超えた部分は財政健全化のため国の借金返済に充てることが定められており、与党は減税財源への流用に伴って法改正も検討しているが、政府内からも「本来借金返済に充てることになっていたお金を使うことは、赤字国債を追加発行することと効果は変わらない」(財務省幹部)との指摘が出ているとか。