読売は4月22日に「ジェネリック医薬品優先使用、厚労省が処方せん様式変更へ」を掲出。
記事は、厚生労働省が、新薬と有効成分は同じだが価格が安いジェネリック医薬品(後発医薬品)の普及を促進するため、医師が患者に薬を処方する際、これまでは新薬の使用が「標準」だったのを、後発医薬品を「標準」に転換する方針を固めたと報じる。処方せんの様式を改め、あえて新薬を選ぶ場合は、医師が処方せんに理由を明記することを求める方向で検討するとのこと。増え続ける医療費を抑制するのが狙いで、20年度からの実施を目指していると記事は伝える。現行の処方せんは新薬が基本だが、18年度の診療報酬改定で、「後発品への変更可」という欄が追加され、欄に医師の署名があれば、薬局などで後発医薬品の処方が増えると期待されていたところ、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)が18年10月時点の処方せん約97万枚を無作為抽出して調査した結果、欄に署名があり、さらに実際に後発医薬品が処方されたケースは全体の1%未満の約9500件にとどまっていたとのこと。厚労省は「欄の追加だけでは普及効果は薄い」と判断し、処方せんの様式を大幅に見直すこととしたとか。後発医薬品の価格は、新薬の7〜4割程度が中心で、中医協の調査でも、後発医薬品を処方した場合、新薬よりも薬剤費が平均して約34%安くなっており、アメリカやドイツなどでは、使用される医薬品の4〜5割程度が後発医薬品で、日本でも欧米並みに普及すれば、年間1兆円程度の医療費の抑制が可能とか。新薬の特許は、おおむね20〜25年で、その間は開発した製薬会社の利益が守られるが、新薬の開発費は数百億円とも言われ、世界の巨大製薬会社との開発競争が激化していることから、大手製薬会社には、「国は後発医薬品の普及よりも、新薬に高い薬価を認め、画期的な新薬の開発を促進するべきだ」という意見も根強いとか。一方、後発医薬品を扱うのは中小の製薬会社が多く、〈1〉流通量が安定せず、仕入れが難しいケースがある〈2〉国民へのPRや医師への説明が十分でない――などの指摘もあり、見直しによる普及効果は未知数な部分もあると記事は伝える。