財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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18年12月末の国の債務が832兆円
 3月24日付け日本経済新聞朝刊5面の「「国の借金」最大に、昨年末で832兆2600億円」は、財務省が23日、国債や借入金などを合計した「国の借金」が18年末時点で832兆2631億円だったと発表したと報じる。統計は3カ月ごとに発表しており、前回の昨年9月末から4兆3465億円増えて、過去最大を更新したとか。国の借金の約8割を占める国債の残高は、昨年末に財投債を含め676兆2919億円となり、9月末に比べて約1兆3千億円増えたとのこと。
地方の財政は好転
 3月21日付け日本経済新聞朝刊5面に「地方債務200兆円割れ、景気回復で税収増―07年度見込み、地域間格差は拡大」の記事。
 記事は、地方自治体が抱える債務残高の減少が鮮明になってきており、19年度末の残高は、18年度末見通しに比べ約2兆円減の198兆9500億円となり、4年ぶりに2百兆円を下回る見込みと報じる。これは、景気回復による税収増を背景に地方債発行が減っているためで、地方の借金残高の減少は3年連続になるとのこと。ただ、税収の伸びる都市部と過疎地との地域間格差は拡大していると記事は伝える。バブル崩壊後の景気低迷による税収減や景気対策による公共事業拡大で、地方の債務残高は90年代前半から急増しし、ピークの16年度には201兆円と2年度末の約3倍に膨れあがったが、17年度以降は緩やかながら減少に転じているとのこと。地方の債務残高が減り始めたのは、政府が公共事業の削減に動く一方、景気回復で税収が増えてきたためで、地方自治体では歳入不足を補う地方債の年間発行額が6年度に10兆円を突破したが、19年度は14年ぶりに発行額が10兆円を下回る見通しとか。地方債のほかに、地方交付税の不足分を金融機関などから借り入れる「交付税特別会計借入金残高」と、下水道などの公営事業のうち、自治体が負担する「企業債残高」などの地方の借金も減る見込みとのこと。地方全体でみた財政は好転しているが、立地する企業数が多く税収が増えやすい都市部と税収が伸び悩む過疎地の財政格差は広がっており、17年度決算でみても、自治体の財政健全度を示す「実質収支(翌年度に繰り越す財源を除いた収支と支出の差)」の黒字額は、全国では前年度比956億円増えたものの、税収の伸びが大きい東京都や愛知県、千葉県の自治体を除くと49億円の減少で、地方財政の好転も、企業の集積する自治体がけん引している構図が鮮明となっていると記事は評する。地方の債務残高が減る一方で、国の債務残高は増加基調が続いており、19年度は国債の新規発行額を前年度より大きく減らし約25兆円に抑えたが、国の長期債務残高は19年度末に初めて6百兆円を超える見通しとか。政府が財政再建の目標にしている基礎的財政収支(プライマリーバランス)も、19年度末(見込み)で国は4.4兆円の赤字だが、地方は5.4兆円の黒字との由。
滞納保育料徴収に市長が乗り出そうとしたら滞納職員が支払った
 毎日は3月20日に「<保育料滞納>督促に走る市長 職員あわてて納付 川崎」〔山衛守剛〕を掲出。
 記事は、市長自ら「認可保育園の保育料を長期滞納している市民全員と面談して催促する」と表明した川崎市で、保育料34カ月分(106万2500円)を滞納していた同市環境局の男性職員が、阿部孝夫市長の表明から5日後の今月13日に一括納入したが、ほかにも市職員の中で1年未満の滞納者が計7人いたと報じる。阿部市長は「市民のモデルとなるべき職員が払っていなかったことは大問題。情けない話で、絶対あってはいけない」と話しているとか。市によると、この職員は16年3月〜18年12月の保育料を滞納しており、一般市民の滞納者と同様、督促状が郵送されていたが、まったく反応はなかったとのこと。阿部市長が今月8日の記者会見で長期滞納者との面談を発表したことから、担当課の職員が支払うよう働きかけ、ようやく支払いに応じたとか。また、1年未満の滞納者計7人のうち、市長の会見後に全額を支払った職員が3人、一部を支払ったのが2人、残り2人はまだ支払っていないが「払う」と話しているとのこと。保育料の徴収を担当する市こども計画課の岡本隆課長は「市職員の滞納は把握しており、一般の市民と同様の督促をしていた。本来はあってはならないこと。もっと早期に指導すべきだった」と釈明しているが、市人事課によると、市職員による長期滞納は信用失墜に当たり、懲戒処分の対象になりうるとの由。川崎市内の保育園は市立と私立合わせて117園で、2月末現在で1年以上の滞納者は市職員1人を含む計129人で、滞納額は計6072万円で、3年以上滞納している人が16人いるとのこと。保育料は父母の前年度収入に応じて設定されており、阿部市長は「原則として支払えない事情はないはず。年度を越えて滞納というのは悪質と見なさざるを得ない。父母の都合に合わせて、保育所を訪問して面談する。『会わない』という人には、強制執行(給料の差し押さえ)も検討する」と話しているとか。面談は4〜9月の予定とのこと。
広島県が財政再建のための体制作り
 3月20日付け日本経済新聞地方経済面23面に「広島県、資金管理コンサル契約、07年度、滞納整理でも民間活用」の記事。
 記事は、広島県が19日、19年度の新しい組織体制を発表し、これによると、財政再建の推進へ、金融機関のコンサルタントと契約し、資金調達や運用について助言を受け、中小企業向け貸付金の滞納金などについてもサービサー(債権回収会社)と契約して、効率的に回収することにしていると報じる。民間企業におけるCFO(最高財務責任者)機能の導入を狙い、4月1日に財政室内に資金管理監を新設し、現在公募している専門コンサルタントから助言を受けながら、最適な資金管理方法や有利な県債発行条件の設定を探るとのこと。資金管理の強化は、地方自治体が発行する公募債の利率に格差が生まれているためで、信用力を強化し将来の金利負担の軽減を図り、現金や基金の運用についても定期預金が中心だが、国債など、より利回りが高い金融商品の活用を検討するとか。中小企業向け貸付金や県営住宅の使用料などの滞納金の回収方法についても近く契約を結ぶサービサーから助言を受け、悪質な場合は法的措置を取ると記事は伝える。県は副知事を2人体制にし、新しい副知事には総務部長を登用して、財政再建だけでなく道州制や企業誘致、行財政改革などの課題へのトップマネジメントを強化するとの由。
4指標による認定基準は今秋
 3月19日の毎日新聞東京朝刊に「破たん法制:自治体財政危機の基準決定、秋に前倒し 健全化・再生、改善期間を確保」〔川上克己〕の記事。
 記事は、政府が今国会に提出した地方財政健全化法案で、総務省が自治体の財政が危機にあると認定する基準を、想定より前倒しして今秋、政令で定める方針を固めたと報じる。法案では公布1年以内に決めることになっているが、参考的な指標では、現状でも北海道を中心に30市町村が「早期健全化」自治体になる可能性があるため、「できるだけ改善の期間を与える」(同省幹部)のが狙いで、線引き次第で「破たん宣告」を受ける自治体も出てくると記事は伝える。法案では20年度決算から全自治体に四つの財政指標の計算と公開を義務付けているが、4指標のうち標準的な財政規模に対する赤字の割合を表す「実質公債費比率」は、全自治体が計算、公表されており、起債を制限する基準に採用されていて、25%以上では庁舎建設など単独事業の地方債発行が制限され、35%以上で、国が補助する道路整備など「最低限」の事業でも起債を禁じるとのこと。直近の17年度決算で25%以上は30市町村に上り、うち北海道歌志内市と上砂川町の2市町は35%以上に達しているとか。25%が「早期健全化基準」、35%が「財政再生基準」にそのまま決まるわけではないが、同省は「自治体はこの数値をにらんで健全化に取り組んでおり、新たな基準づくりの目安になる」として、危うい自治体に警告を発しているとのこと。基準の線引きで北海道夕張市と同じような破たん自治体が相次いで表面化すれば、政権にダメージを与えかねず、同省幹部は「最後は政治判断に委ねられる」と話していると記事は伝えるが、そうかな。
地方財政健全化法案のポイントは4指標モニタリング
 3月15日付け日本経済新聞夕刊2面に「自治体財政健全化へ新法案――行政の"本分"再考迫る(ニュースの理由)」〔編集委員 谷隆徳〕の記事。
 記事は、政府が9日、自治体の財政破綻を防ぎ、再建を促す地方財政健全化法案を閣議決定し、国会へ提出したと報じる。再建法制の刷新はほぼ半世紀ぶりで、新法は自治体に財政規律の向上を求めると同時に、行政の守備範囲の見直しを迫ることになると記事は評する。記事は、財政難の福岡県大牟田市が19年度予算案で、長らく続けてきた「カラ財源」の計上を見送り、正常化し始めたと伝える。実質赤字予算を、年度開始後の歳入で歳計金を埋めていたが、13年度以降はそれすらできずに赤字決算が続いており、19年度は歳出削減で収支を合わせたとのこと。新たな再建法制の特徴は、連結方式の赤字比率や債務比率など4指標を設定し、一定水準を超すと自治体に健全化計画の策定を義務付け、それでも悪化が進めば国の指導下で歳出を削減し、再建するというもので、20年度決算から適用され、基準となる数値は年内に総務省が示す予定とか。
「地方財政健全化法案」を閣議決定
 3月10日付け日本経済新聞朝刊5面に「自治体財政監視厳しく、「健全化法案」を閣議決定、悪化度、4指標で判定」の記事。
 記事は、政府が9日、地方自治体の財政再建を早期に促す「地方財政健全化法案」を閣議決定したと報じる。自治体の財政の健全性を四つの指標で判定し、悪化度合いに応じて早期是正措置を発動して、自治体に早めの対応を求めるとのこと。国による地方財政の監視が強まることで、財政赤字を抱える自治体では行政サービス見直しや住民への負担増などの動きが広がりそうと記事は伝える。20年度決算から適用する新制度では、財政の悪化度合いに応じて、自治体を「財政健全化団体」と「財政再生団体」の二段階に認定して再建を促し、再生団体になると国の関与が強まるとのこと。いまの制度では、自治体側が、国の管理下で再建するかどうかを自主判断するため、破綻した北海道夕張市のように対応が遅れがちだったが、新制度では、第三セクターなども含め連結ベースの財政状況を把握するため、4指標を国に報告する義務を自治体に課し、指標ごとに基準を設け、一つでも満たせなければ、再建計画の策定・実施を求めるとのこと。どの程度の財政状況で自治体に健全化や再生計画を求めるかは、総務省が今秋にも政令などで定めると記事は伝える。新制度の検討過程では、財政が著しく悪化した自治体の借金棒引きを可能にする債務調整の是非も議論されたが結論を先送りしたとの由。政府は4月に設置する地方分権改革推進委員会で、地方分権とあわせて継続審議するが、菅義偉総務相は同日の会見で「債務調整は緊張感を保つうえで十分に検討する必要がある。非常に大きな課題になる」と述べたとか。
和歌山の地方税回収機構が増強する
 3月9日付け日本経済新聞地方経済面9面に「和歌山、滞納税の徴収強化、回収機構、国税庁OB採用や増員」の記事。
 記事は、和歌山県内の市町村から滞納税徴収を受託する和歌山地方税回収機構が19年度に体制を強化すると報じる。19年度に国税庁で徴税業務の経験を持つOB一人を、3年程度の任期付き職員として採用し、市町村からの常勤職員も一人増やして11人とし、増員により公売や差し押さえなどに専任で当たる担当者を新たに設けて、回収効率を高めるとのこと。不動産公売を2カ月に1回実施する計画で、滞納者宅を捜索して差し押さえた動産のインターネット公売も本格化させるとか。19年度から自動車の差し押さえにタイヤロックも活用するとのこと。市町村から3カ月程度の短期間で受け入れる職員は19年度に4人程度を予定し、財産差し押さえの現場経験を積んでもらうが、これには、ノウハウを持った職員を増やしていくことで市町村の徴税能力強化を支援する狙いもあるとか。同回収機構は18年4月に発足し、19年1月末までに徴収したり差し押さえたりした金額は約7億9千万円で、また同機構に回収を移管すると滞納者に催告したことにより、納付または納付を約束した額は計約21億1千万円だったとのこと。一定の成果が上がる一方、回収が難しい滞納案件が残される傾向もあり実績を上げるため陣容を拡大すると記事は伝える。
厚労省が生活保護の不正受給を取りまとめた
 読売は3月6日に「生活保護不正受給、4年で1・5倍に増加…厚労省」を掲出し、17年度の生活保護費の不正受給額が、前年度を約10億円上回り、約71億9000万円だったことが5日、厚生労働省のまとめでわかったと報じる。13年度(約46億7000万円)と比べ、約1・5倍に増加しており、厚労省によると、件数も1万2535件で、前年度比で1624件増加とか。内訳を見ると、働いて得た収入をまったく申告していなかったケースが53・4%と最も多く、働いて得た収入を過少申告していたケースも加えると、63・5%だったとか。「各種年金などの無申告」も15・5%あったとのこと。
議会が選挙費用を節減
 3月3日付け日本経済新聞名古屋朝刊21面に「選挙運動の金もう出せない、山県市、公費負担廃止へ」の記事。
 記事は、岐阜県の山県市議会が2日、市長選や市議選のポスター代など選挙にかかる費用の一部を公費で負担する条例の廃止案を賛成多数で可決したと報じる。市の経費節減などを目的に議員が提案したもので、これを受け、市長は20日以内に条例廃止を公布し、4月の統一地方選から適用する方針とのこと。公選法は、金のかからない選挙の実現と候補者の資金力の違いが選挙運動に影響しないよう選挙の公営を定めており、総務省によると、17年末時点で、全都道府県と約7百の市や特別区が同様の条例を制定しているが、「廃止は聞いたことがない」とか。山県市の条例は、ポスターや自動車の燃料費などを公費で負担することを規定しており、15年4月の制定以降、市長選と市議選が各1回行われ、計約1千万円が公費で支払われているとのこと。