財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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財政危機を煽るより財政再建の意思を示すことの重要性
 1月26日付け日本経済新聞地方経済6面の「財政危機宣言、熱海市が改称、「再建スタート宣言」に」の記事は、熱海市の斉藤栄市長が25日、昨年12月に出した「財政危機宣言」を、「財政再建スタート宣言」に改称すると発表したと報じる。危機宣言を巡って議会や地元の観光業者などが「イメージ悪化につながる」と反発していて、事業への協力を得られないなど市政運営に支障が出ていたとのこと。事実上の撤回だが同市長は、「市民に財政難への認識が高まり宣言の効果はあった」と述べ、「名称変更を求められ、市政を停滞させないために譲歩した」と説明したとか。2月中に財政改革会議を発足させ、「官民一体で改革に取り組む」とのこと。
国民負担率は19年度でまだ39.7%
 1月25日付け日本経済新聞夕刊2面に「国民負担率39.7%、07年度18年ぶり最高見通し、法人税が増加」の記事。
 記事は、財務省が25日に発表した見通しによると、所得に占める税と社会保障費の割合である国民負担率が、18年度に当初予算ベース37.7%、補正後の実績見込みベース39.2%だったのが、19年度に39.7%と18年ぶりに過去最高を更新すると報じる。景気回復に伴い、国民所得が過去最高になるものの、企業が納める法人税などが所得の伸びを上回って増えるためで、一方、将来の国民負担となる財政赤字分を加えた「潜在的国民負担率」は歳出削減の効果もあり、13年ぶりの低水準となったとか。国民負担率は来年度予算や税制改正などの影響を勘案して算出したもので、19年度の39.7%の内訳は、社会保障負担が14.6%と今年度当初予算比で横ばい、国税と地方税を合わせた租税負担率が25.1%と同0.6ポイント増とのこと。潜在的国民負担率は1.3ポイント減の43.2%と、6年度の42.7%以来の低水準の見通しで、これは、19年度予算案で新規国債発行額を3年連続で減らして25兆4320億円とするなど、国民所得比の財政赤字が今年度の5.3%から3.5%に改善しているためとのこと。国民負担率を、米英独仏と社会保障が充実しているスウェーデンを加えた6カ国の16年度の数値と比較すると、米国の31.9%に次ぐ2番目に低い水準となっているとか。
山口県は税収増でも緊縮予算
 1月25日付け日本経済新聞地方経済面11面に「山口県予算、7年連続マイナスに――07年度、知事が表明、「財政健全化に道筋」」の記事。
 記事は、山口県の二井関成知事が24日、19年度の予算編成方針について、18年度の歳出を下回る緊縮型とする考えを明らかにしたと報じる。18年度の県税収入は過去最高に迫る勢いだが、累増する県債残高は1兆円を超しており、7年連続のマイナス予算とするとのこと。二井知事はこの日始まった19年度予算の査定に臨み、「これまで県債残高が増えてきたが、今回の予算編成で減らす時期を明確にしたい」と述べ、財政健全化に道筋をつける姿勢を強調したとか。施策経費を各部一律20%減らす目標を掲げているとのこと。山口県は19年度予算編成に際し当初、3百億円の財源不足を見込んでいたが、県税収入が法人二税が18年11月末時点で既に当初予算を上回るなど好調に推移しており、最終的には当初予算を150億円前後超過する見通しで、二井知事は「18年度分の税収の一部で財源不足を圧縮したい」と述べたとか。
借換債が30年度に百兆円を突破
 時事が1月24日に配信した「借換債、18年度に100兆円突破=国債膨張に歯止め掛からず−財務省試算」は、財務省がまとめた32年度までの国債発行額の長期試算について、過去に発行した国債の償還財源となる借換債が21年度に86兆3400億円まで減少した後、再び増加基調に転じ、30年度には100兆円を突破し、国債発行残高が28年度末に700兆円を超え、利払い費も32年度には17兆円を上回る見通しで、厳しい財政状況が改めて浮き彫りとなったと報じる。
国債残高が22年度に600兆円突破
 1月24日付け日本経済新聞朝刊5面に「国債残高、10年度に600兆円突破――財務省試算、名目3%成長でも」の記事。
 記事は、財務省が普通国債残高の中期試算をまとめ、これによると、名目で3%程度の経済成長を実現しても、19年度末の見通しで547兆円の国債残高は22年度末に6百兆円を突破するとしていると報じる。政府・与党内には増税せずに財政再建を目指すべきだとの声もあるのに対し、財務省の試算は増税の必要性を訴える内容となっており、「成長重視派」と「増税派」の綱引きが激しくなってきたと記事は評する。財務省は25日召集の通常国会に試算を参考資料として提出するとのこと。試算では、名目成長率が22年度に3.2%になると仮定し、長期金利を2.3%程度とし、23年度以降は国債の新規発行額が22年度と同額となるとしているが、政府の経済財政運営の中期方針「進路と戦略」で想定する名目成長率は「3%台半ば程度かそれ以上」で、22年度は3.7%で試算しており、財務省の試算の方が低い成長率を前提にしているとか。財務省の試算によると、19年度末で547兆円を見込む普通国債残高(出資国債など除く)は、22年度末に605兆円、28年度末には715兆円と、今後10年で7百兆円台に達するとか。財務省は少子高齢化で社会保障費が増加することなどから、19年度には前年度から過去最大幅で減額した国債の新規発行額が20年度以降は再び増加に転じると試算しており、新規発行はそれまでの残高に積み上がるため、国債残高が膨らみ、財政状況の悪化が一段と進むとしたとの由。政府は政策的経費を借金なしでまかなえるかどうかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、国と地方をあわせて23年度に黒字化する目標を掲げているが、財務省は地方の基礎的収支が改善するのに対し、国の基礎的収支の赤字幅は大きくなると見ているとのこと。
夕張市の再建
 1月22日付け日本経済新聞朝刊3面に「夕張市財政再建、住民負担の軽減策、バス運賃補助「復活」など」の記事。
 記事は、財政破綻状態にある北海道夕張市が21日、財政再建に伴う住民負担の軽減策を固め、これによると、廃止予定だった高齢者向けバス運賃の補助が一部縮小して復活しており、また、11校の小中学校を小中1校ずつとする案は19年度中に結論を先延ばしし、小中合計で3校以上の存続に含みを残していると報じる。住民負担が大きい保育料は今後数年据え置き、10年程度かけて国の基準まで負担を高めるとのこと。後藤健二市長が22日に菅義偉総務相と会談して報告し、月内にまとめる再建計画素案の柱として盛り込むと記事は伝える。会談に同席する北海道の高橋はるみ知事も、道として夕張市の18年度決算の赤字額に相当する355億円の融資、高齢者医療費の補助肩代わりなどの方針を表明し、国にも一部負担を正式要請するとのこと。夕張市は昨年11月に再建計画の基本的な枠組みを策定しており、人件費削減や住民負担の増加を柱に、20年程度で赤字を解消する計画をまとめたが、高齢者や低年齢層への負担に住民が反発しており、また、総務相が年末に住民生活に配慮すると発言して、市は負担軽減策を検討してきた経緯がある。
所得税収が上向きに
 1月23日付け日本経済新聞朝刊5面に「所得税収、6年ぶり16兆円台、07年度見通し、法人税収上回る」の記事。
 記事は、財務・総務両省が22日の政府税制調査会に税目ごとの19年度税収見通しを提出し、これによると、所得税収が当初予算ベースで6年ぶりに16兆円台に乗せ、法人税収をわずかに上回ると報じる。19年1月から適用される定率減税の全廃が1兆1千億円の増収要因となるほか、配当にかかる税収も伸びると見込んでいるとのこと。所得税収は18年度当初予算比29.4%増の16兆5450億円、法人税収は25.3%増で、15年ぶりの高い水準となる16兆3590億円の見通しで、国の一般会計税収16.5%の伸びを所得税と法人税の高い伸びがけん引する構図が鮮明と記事は評する。18年度は法人税収が大きく伸びて、18年ぶりに所得税収を上回ることが確実だが、19年度は再び逆転する格好となり、所得税収はバブル期のピークには決算ベースで26兆円台に達していたが、その後は下落傾向が続き基幹税としての地位を失いつつあり、ここにきて、ようやく回復の兆しが出てきたと記事は評する。
財務省は増税なしでは無理
 1月22日付け日本経済新聞朝刊3面に「財務省、09年度試算、国の基礎収支赤字7兆円、社会保障費増で悪化」の記事。
 記事は、財務省がまとめた19年度以降の財政状況の推計によると、税収増で大幅に改善した国の基礎的財政収支が再び悪化し、21年度で6兆9千億―7兆8千億円の赤字になることが分かったと報じる。3%の名目成長率を見込んでも、少子高齢化に伴う社会保障費の自然増などが財政を圧迫するとみているとのこと。財務省の試算は19年度予算案を前提に将来の財政状態を展望したもので、25日召集の通常国会に資料として提出するとか。財務省の試算は国の財政だけを分析対象にしているが、経済財政諮問会議が18日にまとめた今後5年間の財政見通しは、地方や特別会計を含めており、高めの成長が続けば国と地方合計の基礎的収支の赤字は縮小し、23年度には黒字転換するとしており、国の収支と地方を含めた収支とのズレは大きいと記事は評する。長期金利を2.3%、名目経済成長率は3%と2.2%の二通りで算出しており、ある程度の成長を前提とし、骨太方針2006で定めた公共事業や政府開発援助(ODA)などの歳出削減を反映させたとしても、政策的
経費である一般歳出は19年度の47兆円から21年度には初めて50兆円台に膨らみ、この結果、政策的経費を借金なしで賄えるかどうかを示す国の基礎収支の赤字幅も大きくなり、景気回復に伴う税収増を背景に19年度予算案では4兆4千億円と前年度よりも7兆円近く縮小したが、21年度には赤字幅が大きく膨らむとのこと。地方交付税の増加も国の収支悪化要因となるとか。19年度予算案で25兆4千億円だった新規国債発行は、新たに増税をしなければ、成長率2.2%の前提で21年度に30兆3千億円まで拡大すると指摘しており、21年度には基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げに2兆4千億円程度の財源が必要になり、増税で手当てしなければ、国債発行で賄うしかないとみているとのこと。
23年度に名目が4%成長なら増税は避けられる
 1月17日付け日本経済新聞朝刊5面に「中期経済見通し、成長シナリオ改革カギ、停滞なら税収減→増税も」の記事。
 記事は、政府の中期経済財政見通しが16日に固まり、23年度の名目経済成長率が4%近くに上昇することを前提に、年金財源を税収増で賄うシナリオを新たに盛りこんだのが特徴だが、シナリオ実現は改革加速による生産性向上などがカギとなっており、改革が停滞し成長を底上げできなければ、税収も増えず消費増税などの国民負担も増加すると報じる。政府は18日、経済運営の方向性を示す「日本経済の進路と戦略」を閣議決定するが、中期経済財政見通しはその参考試算で内閣府が毎年1月に改定しているもので、閣議決定の対象外だが、向こう5年の成長率や財政収支の見通しを示すため経済財政論議のたたき台になるとのこと。試算では、23年度の名目成長率が18年度見通しの1.5%から2.4ポイント、実質成長率が同1.9%から0.6ポイント上昇するケースを「新成長経済への移行シナリオ」と位置づけており、このケースでは21年度の基礎年金の国庫負担引き上げも成長に伴う税収増で賄えるとか。ただ同シナリオでは、日本経済の生産性上昇率が1.5%程度になることが前提となっており、これは1990年代の平均(0.8%)の倍近くの伸び率で、規制や労働市場の改革が遅れれば生産性の伸びも横ばいにとどまり成長の底上げも遠のくと記事は伝える。また、参考試算のうち最も厳しい「制約シナリオ」の23年度の経済成長率は名目で2.2%、実質で1.1%にとどまり、この場合、23年度段階でも基礎的財政収支の赤字が残り消費税の大幅増税も現実味を帯びてくるとのこと。
岡山県の事業仕分け
 1月16日付け日本経済新聞地方経済面35面に「岡山県、事務見直し174億円削減効果」の記事。
 記事は、岡山県が15日、すべての事務事業見直しの結果、年間174億円の歳出削減効果を見込めると発表したと報じる。18年度当初予算を基準に算出したもので、21年度までに達成可能とか。3310の対象事業のうち1115の事業を終了、休止、縮小などとし、残りを継続としたとのこと。例えば事業費3850万円の市町村の防災無線整備モデル事業は「市町村が主体的に取り組むべきだ」として廃止し、189万円の県政世論調査も「回収率が低い」と廃止にしたとか。今年度で補助スキームが切れる倉敷チボリ公園向け助成金なども削減額に計上されているとのこと。見直しは「事務事業の総点検」と題し、公共事業と人件費を除く全事務事業が対象となっていて、特別会計も対象で、ゼロベースからの見直しは県として初めてとか。