財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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新発債の金利1%上昇で国債費は1.5兆円の増
 共同は8月29日に「国債費増が財政圧迫 長期金利上昇に危機感」を配信。
 記事は、18年度予算の概算要求では、国債の元利払いに充てる国債費が20兆5000億円程度と本年度当初予算と比べ約2兆円増える見通しと報じる。要求段階では2年連続で20兆円を突破し、増える国債費が財政を圧迫する構図が一段と鮮明になると記事は評する。景気回復によって長期金利が上昇する可能性も出始めているため財務省は危機感を募らせているとか。バブル経済の崩壊後、度重なる景気対策の財源とするため、政府は大量の国債を発行してきており、その結果、来年3月末の国債残高は538兆円と国民1人当たりで422万円となる計算で、大量発行された国債は今後、次々と償還を迎えるため国債費増大は不可避となっていて、国債費に大きな影響を与える長期金利が上がり、利払い費も増えれば、国債費は一段と増大し、予算の柱である一般歳出を圧迫する最悪の事態に陥ると記事は伝える。財務省は金利が1%上昇した場合、18年度の国債費は本年度比で1・5兆円、20年度には同4・4兆円増えると試算しているとか。一部には、長期金利が上昇したとしても、景気が回復し税収が伸びるため、国債費増加と相殺できるとの指摘もあるが、財務省幹部は「国債費の膨張よりも税収回復のスピードは鈍い」と警戒を強めているとのこと。

 仮に、発行済み国債の金利がすべて8%に上がれば現在の税収は全て利払いに消える計算になる。ま、直ちにはならないが。そういえば、長期金利の上昇が景気回復になって税収増になるという理屈はあるのだろうか。景気回復が税収増と長期金利上昇をもたらすという理屈なら分からないでもないが。しかし、それも海外からの資金流入がないという前提だろう。
人事院勧告では50億円しか減らない
 NHKは8月15日に「人事院勧告 財務省 国の財政負担50億円削減と試算」を配信。
 記事は、財務省が、人事院勧告が実施された場合、国家公務員の給与を支給するための国の財政負担が、今年度の当初予算と比べて50億円程度削減されることになると試算していると報じる。財務省によると、今回の勧告が実施された場合、▽ボーナスの引き上げで200億円増え、▽管理職手当の引き下げなどによって220億円減り、▽扶養手当の引き下げで30億円が減り、結果として、今年度の当初予算と比べた国の財政負担は、一般会計で50億円程度減ると見ているとか。一方、今回の人事院勧告並みに地方公務員の給与が改定される場合、地方の財政負担は190億円程度減るとのこと。
民主党の政権500日プラン
 共同は8月13日に「首相主導で行財政改革推進 岡田氏新政権プラン=差替」を配信。
 記事は、民主党の岡田克也代表が13日、大阪市内での記者会見で、民主党が政権獲得した際の政権運営手法を示す「岡田政権500日プラン」を発表し、「徹底した行財政改革」で旧来の政治システムを解体、新たな政府を形づくろうという内容で、衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込むと報じているが、記事によると、首相が議長を務める「国家経済会議」と「行政刷新会議」を新設、首相主導の予算編成や税金の無駄遣いの洗い出しを進めるとのこと。ほかに、中央省庁の局長級以上の官僚は、新政権への「忠誠」を条件に政治任用し、「族議員政治」「陳情政治」「官僚政治」からの脱却を目指すとか。プランは(1)衆院選後20日までの政権移行期、(2)100日までの新政権始動期、(3)300日までの行政刷新期、(4)500日までの抜本改革期、とスケジュールを決めた対応を列挙しており、政権移行期では衆院選翌日の9月12日に岡田氏や川端達夫幹事長らが「政権移行委員会」を発足させ、基本政策を確認するとともに、各省庁の幹部人事に着手し、忠誠を誓わない幹部の人事異動を行う。改革派官僚や民間人を抜てきし、首相官邸スタッフは総入れ替えするとか。主要閣僚を決める一方、時間をかけて民間からの大胆な登用を図るとのこと。始動期には国家経済会議と行政刷新会議を新設し、経済会議に財務省の予算・財政企画部門を移管して、毎年度の予算の大枠と複数年度の中期目標を決定し、企業再生で実績を上げた経営者らをメンバーとする刷新会議で、税金の無駄遣いや不正を洗い出すとのこと。小泉内閣での概算要求基準(シーリング)も白紙で見直すとか。行政刷新期以降では財政健全化法案や地域主権基本法案の成立を目指すとのこと。

 朝日が16日に配信した「民主が政権公約 3年で10兆円歳出減、イラク年内撤退」では、民主党が16日に発表した総選挙に向けたマニフェスト(政権公約)で、「3年間で10兆円の歳出削減」による財政健全化や年金制度の一元化を掲げていると報じる。記事によると、財政健全化策では、8年間で国の一般会計のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化するとうたい、財政再建を目的とした増税はせず、首相直属の「行政刷新会議」を新設して役所の無駄遣いを見直し、歳出削減によって実現するとしているとのこと。具体的には、政府直轄の公共事業の半減や国家公務員の人件費総額を2割減らすなどで17兆円を捻出し、7兆円をマニフェスト実現のための費用とし、差し引き10兆円の削減とするとしているとか。
民主党が24特別会計の廃止の方針
 共同は8月5日に「民主が特別会計の統廃合案 消費税3%分の財源確保」を配信。
 記事は、民主党が5日、道路整備や財政投融資資金など国の31の特別会計について3年間をめどに24の特別会計を廃止するなどして、6つの特別会計に再編する改革案を作成したと報じる。次期衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込み、岡田克也代表が重視する財政再建対策の一環として掲げる考えとのこと。特別会計全体の予算規模は17年度で総計約412兆円にのぼり、一般会計と互いに繰り入れを実施しているが、民主党案を実行すると、一般会計で5・9兆円の財政収支改善につながるとの試算で、消費税換算で税率3%相当分の財源が確保できるとか。「特別会計改革ワーキングチーム」(座長・野田佳彦「次の内閣」財務相)がまとめたとのこと。外国為替の売買をする「外為特別特会」と、国債を発行している「国債整理基金特会」を統合、各特会が保有する資産を移して「財政再建特会」を新設し、国債償還を加速するとか。厚生年金、国民年金の両特会は一元化するとも。公共事業関連の特会は、新設する「社会資本整備特会」に一本化し、道路と空港整備の特定財源を廃止して、石油石炭税は一般財源化するとも。
自民憲法案に財政健全性配慮規定
 8月2日付け日本経済新聞朝刊4面の「自民憲法案に健全性規定」〔特集――自民、憲法改正条文案の全文、ポイント解説、健全財政へ努力〕は、現行憲法が財政に関する7章で、財政民主主義や租税法律主義、公金支出禁止に関する規定などを定めているが、このたび発表された自民党の草案第1次案は財政健全化の訓示規定を設けたと報じる。財政事情の悪化を踏まえたものだが、数値目標の設定は見送ったとのこと。
現行憲法 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない(83条)
自民案 財政の健全性の確保は、常に配慮されなければいけない(83条2項)