財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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地方自治体の財政再建は2025年までがチャンス
 J−CASTニュースが6月7日に掲出した「「地方自治体の財政再建」は2025年までがラストチャンスだ」〔大庫直樹〕は、筆者が大阪府の歳出、歳入をどこまで人口と結び付けられるかトライした経験から、過去の履歴をとってみると、歳入は法人税の動向次第で大きくぶれるので、なかなか予想できるとは言い難かったが、歳出はあまり大きなブレは見つからず、歳出費目ごとに受益者を大まかに決めて、過去の1人当たりの費用実績から推測したところ、兆円単位の歳出なので100億円単位のブレを気にしなければ、将来の必要歳出もかなり予想できそうと説く。そうしたシミュレーションをしてみると、自治体にとって意外な事実が発見でき、実は、年少人口がこれから急激に減少していくことは、歳出もその分急速に減少していくことを意味していると説く。学齢になれば全員が学校に通うので、教育費は必ずかかり、一方、福祉や医療費は、老齢だからといって全員に発生するわけではなく、後期高齢者医療費のように、国の負担割合が多いこともあって、自治体では高齢者の増加が極端な歳出増にはつながらないとの由。60代くらいの世代は消費性向もそれなりにあるし、税収にも貢献するわけで、財務面だけから自治体戦略を立てるのなら、高齢者に魅力のある都市づくりを進めていくことも選択肢になりうるとか。壮年中心の都市戦略かどうかは別にしても、シミュレーション結果からは、これから10年くらいの間、自治体の財政が少しだけよくなりそうな気配があることが重要で、年少人口が急激に減り、その割には高齢者の人口が少なく、今と同じ受益者あたりの費用なら、歳出が減る可能性もあるとか。逆に、この10年を逃してしまうと、いくら年少人口が減るといってもゼロにはならないから、その減少傾向は横ばいに方向になり、その一方で、高齢者は生産労働人口の定年で、しばらくの間は増え続け、また、高度成長期に建設した道路、橋梁、建物の老朽化は進み、大量の更新需要が生まれるとのこと。結果として、財政的にほんのちょっと薄日が射すこの10年を逃してしまうと、ますます自治体の財政立て直しは難しくなり、「自治体の再生」は2025年までがラストチャンスと筆者は説く。
みんなの党が予算組み替え案

 産経新聞が2月25日に配信した「みんなの党、予算修正案まとめる 行革で歳出大幅カット」は、みんなの党が25日、子ども手当廃止や国会議員と公務員の人件費削減などで歳出を大幅にカットした平成23年度予算案と予算関連法案の修正案を発表したと報じる。政府案が一般会計総額92兆4千億円に対し59兆8千億円の緊縮予算で、国債発行額も政府案の44兆3千億円に対し17兆7千億円に縮減したとのこと。現行40%の法人税率を20%まで引き下げて経済成長を目指すとか。

公表資料:予算組み替え動議、提出

小渕減税の反省がない議論というのはいただけない

 J−CASTニュースが1月17日に掲出した「高橋洋一の民主党ウォッチ 菅、枝野、与謝野それに総理夫人 財務省キャンペーンに屈した面々」は、菅総理が与謝野馨氏を経済財政担当大臣にしたことについて、与謝野氏が、財政収支均衡を最優先し、その手法は増税というコテコテの財政至上主義者であり、財務省の主張そのものと説く。そして、世論調査で、増税容認が多いことについて、「これまで菅政権で、何度ともなく増税が必要、必要と繰り返してきたので、あきらめの早い日本人は仕方ないかなと思ってしまうだろう。もちろん、これは財務省が周到に仕組んだ増税キャンペーンである。菅総理のみならず伸子夫人も「洗脳」されたようだ。」として、マスコミも各社の経済部エリートを財研クラブ(財務省の記者クラブ)に配していて、その中はサラリーマン記者が多いために財務省からの増税キャンペーンを垂れ流していると説く。そして、「霞ヶ関埋蔵金」を取り上げて、「毎年結局は出てくるのに、いつも当初は「ない」という報道ばかりだ。予算編成の年末になると、それまでの報道とは一転して出てくる。昨10年末にも鉄道建設関連の埋蔵金が出てきた。これで5年連続累計40兆円以上だ。ところが、新しい年になると、また「ない」と報道される。」と称している。しかし、例示されている「鉄道建設関連の埋蔵金」は、「それまでの報道とは一転して出てきた」ものではない。制度上残余金は国庫に返納することとされている金であり、余剰基調であることは一昨年に会計検査院が報告していて報道もされている話だ。これを、見付かっていない財源を示す「埋蔵金」と称することは、「私は知らなかった」と言っているだけのことだ。「社会保障費自然増1兆円というが、その程度なら名目経済成長率を1%上げれば確保できる。こんなことも分からない人たちに国を動かされているなんて、滅多にないくらい悲惨なことだが、あまりに悲惨なだけに長くは続かないだろう。」と語っているが、名目経済成長率が1%上げれば、連動して社会保障費も更に上がることを脇へ置いた議論だ。いずれにせよ、減税と借金による公共投資増大の小渕路線が失敗し、構造改革(端的には郵政改革)と公共投資削減と社会保障費抑制による財政収支改善の小泉路線が成功したという経験を無視した議論はいかがなものか、という気がする。

経済同友会の提言

 時事が1月11日に掲出した「消費税、17年度に17%=19年度に財政黒字化―同友会が提言」は、経済同友会が11日、日本の経済・社会の再活性化に向けた提言「2020年の日本創生」を発表したと報じる。提言は、社会保障制度の財源確保と財政再建のため消費税率を段階的に引き上げ、29年度に17%とするよう改めて要求しており、また、税財政・社会保障制度の改革と並行して成長戦略に取り組むことで、31年度に基礎的財政収支の黒字化が可能と訴えているとのこと。桜井正光代表幹事は同日のインタビューで、消費増税を含む税制改革について「(国民に必要性を)説明する政権でなければ、これからは駄目だ」と述べ、菅直人首相に指導力の発揮を促したと記事は伝える。

公表資料:2020年の日本創生 −若者が輝き、世界が期待する国へ−

政府税調が環境税導入を決定

 東京新聞が12月9日に掲出した「環境税 来年10月導入へ 政府税調」は、政府税制調査会が8日、全体会合を開き、地球温暖化対策税(環境税)を来年10月から導入する方針を決めたと報じる。二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて石油や石炭など輸入段階ですべての化石燃料に課税するもので、導入に伴う一般家庭の世帯当たりの税負担は、年に1207円増えるとのこと。環境税は増税による価格上昇で地球温暖化につながる化石燃料の消費を抑制することを狙っており、石油石炭税の税率を3〜4年かけて段階的に上げ、最終的には現在より5割増税して、増収分を環境税と位置付けるとのこと。税収は最終的に年2400億円を見込んでおり、これを前提に試算すると、一般家庭の税負担は電気代が世帯当たり月34円、ガソリンは一リットル当たり0.79円増加し、産業向けは原油が一キロリットル当たり790円、石炭は一トン当たり700円の増税とか。ガソリン税と軽油引取税にかかる旧暫定税率は23年度、現行の税率水準を維持するとのこと。民主党は環境税導入で、間接的に軽油やガソリン価格が上昇するのを防ぐ措置を講じるよう提言したが、政府税調は具体策を示さず、党内から反発が出る可能性もあると記事は伝える。

民主党の藤井調査会が消費税の重要性を説く提言を

 東京新聞が12月1日に掲出した「消費増税含め税制改革を提言 社会保障財源で民主調査会」〔共同〕は、民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」(会長・藤井裕久元財務相)が1日、年金や医療など社会保障の安定的な財源として消費税が「非常に重要」とする政府への提言の素案を取りまとめたと報じる。消費増税を含めた税制の抜本改革の必要性を事実上強調した内容で、民主党が惨敗した参院選以降、封印されてきた消費増税論議が活発化しそうと記事は伝える。素案は、社会保障の安定化のためには「安定的な財源を確保する必要がある」として、消費税を含めた税制改革に一刻も早く着手する必要性を強調しており、税率を引き上げた場合、低所得者ほど負担感が重くなる「逆進性」への対策に取り組む方針を盛り込んでいるとか。ただ、調査会としては税率の引き上げ幅や時期は明示しない考えと記事は伝える。現在の消費税収では、基礎年金、高齢者医療、介護の3経費に対し約10兆円の財源不足があることや、毎年1兆円超のペースで社会保障関係費の自然増が見込まれる現状を指摘し、不足分を国民全体で負担する観点から消費税の利点を重視し、引き上げの際には社会保障目的税化することも示しているとか。

この段階でもインフレによって公的債務問題を解消できると説く人がいる

 グーサイトに6月15日に掲出された「日本は本当に公的債務問題を抱えているのだろうか?」(フィナンシャル・タイムズ 2010年6月13日初出 翻訳gooニュース)〔マーティン・ウルフ。翻訳・加藤祐子〕は、「日本はどうしようもない公的債務問題を抱えているというのが、日本自身と欧米における通説だ。これは実に説得力のない話だと、私は思っている。日本はせいぜい3%程度のインフレ期待を作り出せば、それで公的債務問題など雪のように消えてなくなってしまうのだ。しかし対応を遅らせれば遅らせるほど、最後には大きな調整が必要となる。」として具体策を次のように提示している。

まず第一に、国債の平均残存期間を現在の5.2年から少なくとも15年に延長するのだ(政府は驚くほど低い長期金利で借り入れができるのに、そんな短期の国債を認めてしまった責任者は、全くの無能だ)。そうすれば日本の国債の平均満期は、英国の13年という遥かにまともな水準をさらに上回ることになる。

第二に、インフレ創出の方法を知っている中央銀行総裁を雇うのだ。たとえばアルゼンチン人の。中央銀行総裁たるもの誰しもそれなりにその気になれば、インフレを作り出せるはずだ。それなりの規模で政府と民間の資産を直接買い上げればいいのだから。政府は国債の満期期間を延長した後に、インフレ目標を3%に設定して日銀を支援すべきだし、同時に、この目標を2年以内に実現できなければ日銀政策委員を全員ばっさりみじめにクビにすると通告するのだ。

第三に、インフレが実際に3%に達したとする。そうすれば日本の国債の利率は5%に上がる。ほかの条件が同じなら、残る公的債務の市場価値は40%下落するはずだ。ここで日本政府は残る債務をこの時点の市場価格で買い直し、公的債務の額面総額をGDP比40%減らすのだ。さらに、インフレ状態の経済環境で日本人は、自分たちが抱える巨額の現金預金の実勢価値がどんどん目減りしていくことに気づく。なので日本人は貯金する代わりに実物資産や消費財を買うようになり、ついに経済は旺盛に拡大するようになるというわけだ。

第四に、こういう状態になって初めて政府は増税と支出削減を実施し、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の小幅な黒字化を実現する。政府の借り入れ額は借金の借り換え分だけで充分で、債務比率は安定すると仮定する。どの程度のプライマリーバランス黒字が必要かは、実質金利と経済成長率との関係性で決まることになる。

 第3段階の「公的債務の買い直し」ができれば苦労はしない。その財源がないのだ。現在の1.4%の低金利ですら、税収10%程度17%(20年度決算。22年度予算では26%)利払いに消えている。もし債務全体の金利が3倍になれば、税収の30%半分程度が利払い(金持ち(小金持ちを含む。)への移転支出)に消えることになり、公債依存度が更に悪化する。したがって、「公的債務の買い直し」は国債発行で賄うことになるが、それにどんな意味があるのか。さらに、年金財政破綻の予想から貯蓄率が上がり、ますます消費が減少することになる。 何より、40%下落した国債は満期保有目的になることが確実であり、誰も「買い直し」に応じない、ということがある。最大の保有者であろう「ゆうちょ」が損出しをしたら国が持たない。

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政府税調の専門家委員会は消費税増税を提言する方向

 東京新聞が5月25日に掲出した「税調、所得増税論議へ 専門家委「財源対策遅れた」」は、政府税制調査会の専門家委員会(委員長・神野直彦東大名誉教授)がまとめる論点整理の概要について、1990年代以降に相次いで実施した経済対策の減税措置が響き、税収など構造的な財源不足の解消が遅れたと指摘していて、所得税の最高税率引き上げや、社会保障の拡充に向けた消費税増税を提言することになると報じる。慢性的な税収不足に陥っている政府に抜本的な税制改革を求める内容で、近く税調に報告するとのこと。政府は6月にまとめる財政再建策などに反映させる見通しだが、参院選を控え与党内には増税論への反発も根強く、年末の税制改正に向け、税調が論点をどう取り込むかが焦点となると記事は伝える。論点整理は、6年に消費税率引き上げを決定した際、増税に見合う形で実施した所得税の特別減税や恒久的な減税が長期化した点に着目しており、過去の税制改正で所得税の最高税率が40%まで引き下げられ、所得控除が拡充される一方で、時限的な減税の廃止に手間取り、構造的な見直しが進まなかったと結論しており、税収回復と所得再分配機能の強化のためには、最高税率の引き上げが不可欠だと言及しているとか。所得税に加え、消費税の抜本改革の必要性も強調しており、年金や医療など充実した社会保障の給付を行う財源確保のため、広く国民負担を求めるとの考えを盛り込む方針とのこと。一方、法人税は、特定の業界などを税制上で優遇する租税特別措置の縮小による課税対象の拡大を前提に、国際競争力などの観点から税率の引き下げが必要との見方を示したとか。専門家委は所得税や消費税などの税制全般について、1980年代以降の税制改正の問題点などを議論してきたと記事は伝える。

消費税率は経済情勢を見極めてから

 朝日が5月17日に掲出した「消費税10%で年16万5千円の負担増 民間研究所試算」〔高田寛〕は、第一生命経済研究所が、消費税率を今より5%幅引き上げて10%にした場合、4人家族の平均世帯で年間16万5千円程度の負担増になる、との試算をまとめたと報じる。消費税として支払う総額は年間34万6千円に達する見通しとか。一方、消費税は、1%幅税率を引き上げると、税収は2兆5千億円増え、この計算だと、消費税の引き上げだけで国債発行に頼らずに政策的経費をまかなえるかどうかを示す「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」を黒字化するには、税率を27.3%にする必要があるとのこと。しかし、そこまで引き上げると個人消費が冷え込み、企業収益が落ち、法人税収が減少することになり、実質国内総生産(GDP)は6%幅押し下げられ、増税2年目に再びプライマリーバランスが赤字になると見込まれるとか。試算した永浜利広主席エコノミストは「国の財政状況を考えると消費増税は不可欠だが、特定の時期を設定するのではなく、成長率や雇用者報酬の伸びなどを目安にすべきだ」と話していると記事は伝える。

財制審の建議は不要になった

 毎日jpが10月28日に掲出している「藤井財務相:財政審の建議は「不要」 「新しい仕組みある」」〔平地修〕は、藤井裕久財務相が27日、翌年度の予算編成の方向性を提言してきた財政制度等審議会の建議(意見書)の提出を今年は受けないことを明らかにしたと報じる。財政審は蔵相(現財務相)の諮問機関として昭和22年に設置され、43年度から毎年建議を提出してきているが、藤井財務相は「政権交代もあり、(国家戦略室など予算編成の)新しい仕組みもできた」と、理由を説明したとか。例年、年末に提出されてきた建議は、公共事業費や社会保障費の抑制など財政健全化のための方策などが盛り込まれてきているが、財政審は政権交代後、休止状態が続いており、今後のあり方について藤井財務相は「検討を要する」と述べるにとどめたとのこと。また、財務省は27日、予算編成を担当する主計官会議を開き、藤井財務相が来年度予算の編成に向けて、概算要求が過去最大の95兆円に膨らんだ予算削減の徹底などを指示し、「責任は政治が負う」と各主計官を激励し、年内の予算編成の実現や、行政刷新会議との連携も要請したとの由。

関連:平成20年度予算の編成等に関する建議(2007.11.19)