財政再建への動き

破綻しかけている日本の財政を何とかしようという動きを見届ける
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橋本旋風が消費税率アップに貢献
 ZAKZAKが3月19日に掲出した「次期衆院選“マル秘調査”の衝撃中身!橋下新党が近畿で8割独占」は、岡田克也副総理が、消費税増税法案成立のため、自民党幹部に民主、自民両党の大連立を打診していたことが、永田町を騒がせており、野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁の極秘会談に続く与野党接触の背景には、増税法案に徹底抗戦する小沢一郎元代表のグループへの牽制があるが、2大政党が警戒すべきはそれだけではなく、次期衆院選で、大阪市の橋下徹市長率いる「大阪維新の会」が近畿地区で8割近い議席を独占するという衝撃的な選挙情勢調査も存在すると伝える。記事は、谷垣氏の思惑は、《消費税増税には賛成だが、党内には早期解散論が根強く、総裁続投を考えると大連立は簡単ではない》というものであり、小沢氏らの思惑は《早期解散では若手が多いグループが壊滅状態になる。増税法案成立による早期解散や、大連立での『小沢切り』を阻止して、民主党の主導権を握りたい》と読む。野田、岡田両氏としては、衆参ねじれのなか、増税法案を「不退転の決意」で進めるため、「小沢切り」も視野に入れて自民党との連携を模索したとみられるが、極秘会談や大連立打診の情報が漏れたことで、自民党や小沢グループの硬化を招きそうと記事は評する。そして、某政党がひそかに、近畿地区2府4県の小選挙区(48選挙区)と、比例代表(29議席)の調査をしたところ、橋下氏率いる「大阪維新の会」が全体の8割近い60議席を獲得したという結果が出ており、関係者によると、同調査で民主党は、藤村修官房長官(大阪7区)や、樽床伸二幹事長代行(同12区)らが落選し、自民党も、選挙に強いといわれる二階俊博元経産相(和歌山3区)が議席を失い、公明党も「維新との選挙協力がなければ全滅」だったとか。あくまで、近畿地区の結果だが、報道各社の世論調査では、維新の国政進出への期待は高く、読売新聞が19日報じた世論調査(近畿対象)では、維新の国政進出に63%が「期待する」と返答し、衆院比例近畿ブロックでの投票先としても、維新が24%で、自民党(18%)や民主党(10%)を大きく引き離しており、これで、民主、自民両党は早期解散に打って出られるのかについて、政治評論家の小林吉弥氏の言として「表向きの発言とは違って、既成政党側は本音では早期解散は望んでいない」「民主党は早期解散すると、やっと手にした政権を失いかねない。自民党もいま選挙をやって勝てる自信はない。橋下氏への追い風がどうなるかを見極めないと、とても選挙はできない。野田首相の『増税法案を絶対成立させる』『法案成立を阻止されれば衆院解散・総選挙に打って出る』という姿勢がブレなければ、条件をすり合わせることで法案は通るはず。実は、永田町は『野田ペース』になっており、年内の解散衆院選は遠のいたのではないか」と伝える。
大震災のために再建論議がかすんでいる

 毎日jpが4月27日に掲出した「税と社会保障:集中検討会議、きょう再開 給付抑制、焦点に 医療、財政再建…配分は」〔鈴木直、谷川貴史〕は、東日本大震災で中断していた、税と社会保障の一体改革に関する政府の集中検討会議(議長・菅直人首相)が27日に議論を再開するが、「復興経費は10兆円を超えることが確実」との予測を前に、震災以前に聞かれた「社会保障の機能強化」との声は影を潜め、議論の基調は「給付費抑制」へと傾きつつあると報じる。国家財政のさらなる悪化も予想される中、限りある財源を復興、社会保障、財政再建にどう配分するのかを巡っても政府は難しい選択を迫られていると記事は評する。地震発生から2週間後の3月26日に、財政再建に執念を燃やす与謝野馨経済財政担当相が非公式会合を再開し、財務、経済産業など5省からヒアリングを実施したが、各省は医療費や介護費の自己負担増、年金の支給開始年齢引き上げなど、次々と社会保障削減案を提示し、細川律夫厚生労働相不在の中で進む議論を聞いていた厚労省幹部は「震災前後で空気ががらっと変わった」とため息をついたとか。震災前、検討会議の議論は「社会保障の機能強化」を旗印とするものが目立っており、政府の本音、消費税増税の実現には「社会保障目的税」化することが最も国民の理解を得られると踏んでのことだったが、震災後は一変し、検討会議の委員からも「社会保障に向けられる財源は厳しくなっており、重点化、効率化が一層大事になる」(吉川洋東大大学院教授)といった意見が強まり始めたとのこと。中でも風当たりが強いのが医療分野で、厚労省は当初、一体改革を通じ、市町村の国民健康保険(国保)の財政基盤強化や、65〜74歳の医療費への年間4000億円程度の税金投入を検討しており、この背景には、とりわけ加入者の4割が無職の国保が21年度で実質赤字が2633億円に上っていて、「ほころびが広がれば国民皆保険が崩れかねない」(保険局幹部)との危機感があるとの由。しかし震災後、こうした巨額の財源を要する議論は、「医療の効率化」を求める声に押されており、厚労省も年金改革では、自ら高所得者の基礎年金減額案を提示せざるを得なくなっているとか。集中検討会議は、5月に社会保障改革案をまとめ、必要な財源の規模を示す予定であり、これを受け、政府税制調査会(会長・野田佳彦財務相)が税制の抜本改革を議論し、6月中の一体改革の政府案作りを目指しているが、東日本大震災により、総額で10兆円以上と見込まれる復興予算の財源確保策として臨時国債「復興再生債」(仮称)を発行し、将来の増税で返済する考えを政府・与党が示したために、状況が大きく変わっているとか。少子高齢化に伴って、毎年1兆円超増え続ける社会保障費を賄うには、「最低でも5%の消費税増税が必要」(財務省幹部)との見方が根強いが、これに復興債返済のための増税が加われば、国民負担は一気に膨らみ、与党内の一部から出ている反発が一層高まりかねず、このため、政府内では「消費税増税分を社会保障費に充てる」との一体改革の当初方針を転換し、「増税分は3年程度は復興に使い、その後、社会保障に回す」案も浮上しているとのこと。さらに、震災や原発事故の被害の大きさから、増税そのものへの抵抗が与党内で強まるのも必至であり、一体改革論議は再開するものの、「国民や政治家の関心は復興に集中していて、『マッチング』して考えられる環境にない。社会保障費の財源確保が置き去りにされるのでは」(財務省幹部)との懸念も出ていると記事は伝える。

公務員給与5%カットの方針

 時事通信が3月30日に配信した「公務員給与5%カット検討=東日本大震災の復興財源―民主」は、東日本大震災の復旧・復興財源をめぐり民主党内で、国家公務員の給与を5%カットする案が浮上していると報じる。23年度で約1500億円を捻出するもので、人事院勧告に基づかない給与引き下げは極めて異例だが、全体で10兆円を超えるとされる震災復興費用の財源確保のためにはやむを得ないと判断したと記事は伝える。同日成立した23年度予算に計上されている国家公務員の給与費総額は3兆7642億円で、6月以降に引き下げた場合、約1500億円が捻出できる見通しで、がれき撤去などの災害支援策を盛り込む23年度第1次補正予算案の財源に充てるとの由。民主党案では、月給などを特例的に5%削減する給与法改正案を通常国会へ提出するとか。

国会議員が歳費を4割カット

 毎日新聞が3月29日に配信した「<東日本大震災>国会議員歳費4割削減 半年計300万円、民自公幹事長同意」〔岡崎大輔〕は、民主、自民、公明3党の幹事長が28日、国会内で会談し、東日本大震災を受け、国会議員歳費を半年間、1人当たり毎月50万円、計300万円を削減することで合意したと報じる。震災対応で多額の財政出動が見込まれるなか、国会議員も身を切る必要があると判断したもので、削減額は、国会議員の歳費月額129万4000円の4割近くに当たると記事は伝える。3党は共同で国会議員歳費・旅費・手当法改正案をまとめ、他党にも協力を呼びかけて年度内の成立を目指すとか。削減額は衆参両院で約22億円になり、全額を被災地対策に充てるとのこと。共産党の市田忠義書記局長は同日の記者会見で「歳費カットはいいことだ」と法案に賛成する考えを示した上で、共産党が交付申請していない「年間320億円の政党助成金も、当然返上すべきだ」と指摘したとか。

所得税増税案が財務省で浮上

 時事通信が3月23日に掲出した「難航必至の復興財源確保=所得増税案も浮上―政府・与党」は、東日本大震災の復興財源の確保について、政府・与党が子ども手当などマニフェスト(政権公約)施策の一部撤回に踏み切る方針だが、それだけでは「10兆円規模」(民主党幹部)ともされる必要額に遠く及ばず、新規国債の大量発行による財政の一段の悪化を避けるため、所得増税など時限的な特別増税案も浮上していると報じる。政府・与党は復興のため複数回にわたる補正予算の編成を検討するが、4月中にもがれき撤去や仮設住宅の建設など災害支援を中心とした23年度第1次補正予算案を編成し、その後、港湾や道路などの復旧を含めた本格的な補正予算を組むとのこと。財源に充てるため、23年度予算案で2兆2000億円を計上した子ども手当の見直しが検討されているが、3歳未満への7000円の上積みを撤回しても2000億円が浮くだけであり、子ども手当を撤回して自公政権下の児童手当に戻せば、約1兆8000億円を復興財源に回せるものの、「所得税・住民税の年少扶養控除を廃止したため、多くの世帯が実質負担増となってしまう」(政府関係者)という問題があるとか。さらにマニフェスト施策では高速道路無料化(予算額1200億円)が中止の方向だが、高校無償化(同4000億円)や農家の戸別所得補償(同6000億円)の見直しには政府・与党内に慎重意見が強いとのこと。一方、財務省は財源確保のため国債発行に踏み切る際は、その償還財源として所得税など特別増税が必要とみており、震災による景気減速が懸念される中での増税には各方面での反発が予想されるものの、財政規律を守るためには避けられないとしていると記事は伝える。

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国債の日銀引き受けの動き

 MSN産経ニュースが3月18日に掲出した「10兆円規模「復興国債」発行へ 全額日銀が引き受け
」は、東日本大震災を受け、政府が、復旧・復興のための補正予算編成に向け、主要財源として日銀が全額を直接引き受ける「震災復興国債」を緊急発行する方針を固めたと報じる。複数の政府筋が明らかにしたもので、発行額は10兆円を超す見通しとか。日銀や与党と早急に調整に入り、野党も含めた合意を目指すと記事は伝える。政府は、震災復興対策の新たな財源確保を目指し、平成23年度予算案で計上した子ども手当や高速道路無料化などの財源を全額充当することを検討したが、3兆3千億円程度にしかならず、有効な対策は打てないと判断し、新規国債の発行も検討されたものの、国債を市場に大量流通させれば財政事情が悪化する上、国債の格付けが下がり長期金利の上昇をもたらす危険性があり、このため、震災復興国債を日銀に引き受けさせる案が急浮上したとの由。日銀による国債引き受けは財政法5条で禁止されているが、同条のただし書きに「特別の事由がある場合において国会の議決を経た金額の範囲内ではこの限りでない」と規定されており、今回の震災は「特別な事由」にあたると判断したとか。日銀は日銀法で独立性を担保されており、難色を示す可能性もあるが、与野党に政府の関与を強める日銀法改正の動きがあることから最終的に引き受けに応じるとみられていると記事は伝える。平成7年の阪神大震災の復興対策では3度の補正予算で計3兆3800億円が計上されたが、今回の震災ははるかに規模が大きいことから「10兆円や20兆円では足りない」(亀井静香国民新党代表)との声もあるとのこと。一方、自民党の谷垣禎一総裁は時限増税を提案したが、菅直人首相は「日本経済をさらに悪化させかねない」として否定的な考えを示しているとのこと。政府・与党が目指す復興対策の平成23年度補正予算編成では、23年度予算案に計上された子ども手当(2.2兆円)や高速道路無料化(1千億円)、高校授業料無料化(4千億円)、農業戸別所得保障制度(6千億円)などに充てる予定だった財源を振り分け、残りを震災復興国債で賄う方針で、道路や橋梁、港湾などについて建設国債発行も検討されているとか。

 日経電子版が3月18日に掲出した「震災復興国債の日銀引き受け 財務相ら否定」は、野田佳彦財務相が18日午前の閣議後の記者会見で、与党内の一部で浮上している東日本巨大地震の復興経費をまかなうため日銀に国債の直接引き受けを求める案について「慎重な検討が必要だ」と述べたと報じる。「国債の市中消化も円滑。政府で具体的に検討していることはない」と強調したとのこと。与謝野馨経済財政担当相も同日の会見で、「企業も家計も手元流動性が潤沢だ。日銀が特別なことをやることはない」と否定的な見解を示したとか。

 日銀引き受けを行わせるということは日銀を独立させている意味がなくなる。

自民党の改正案は財源無き新規施策を否定する

 毎日jpが2月2日に掲出した「財政健全化法案:自民、財源条項を追加」〔野原大輔〕は、2日の自民党政調政策会議が、衆院に取り下げを求めている財政健全化責任法案の修正案を了承したと報じる。23年度予算案について「新たに予算を伴う施策には経費を上回る財源を安定的に確保する」(ペイ・アズ・ユー・ゴーの原則)との条項を追加するというもので、修正案が成立すれば恒久財源のない子ども手当などは実施できなくなり、現法案に同調して自民党にすり寄ろうとする政府・民主党の思惑を断ち切る狙いがあるとの由。党総務会を経て来週にも参院に提出すると記事は伝える。昨秋の臨時国会に提出した現法案は23年度から32年度を「財政健全化期間」とし、年度ごとに5年間の中期計画策定を義務付けたが、今年度中に成立する見込みがなく、23年度分が対象から外れるとのこと。民主党の安住淳国対委員長は自民党に対し、現法案を基に衆院での修正協議を呼びかけているが、「抱きつき」戦術を警戒する自民党は応じない方針とか。ただ、修正案を参院で先議しても、みんなの党や共産党が反対するため、民主党が協力しない限り可決できないと記事は伝える。

消費税率アップは総選挙の後

 毎日jpが2月3日に掲出した「菅首相:消費増税の時期 13年8月以降に」〔中山裕司〕は、菅直人首相が2日の衆院予算委員会で、消費税率の引き上げ時期について「(衆院議員の)任期が終わった後に実施したい。基本的な考え方はそういう設計図だ」と述べ、25年8月以降としたい考えを示しつつ、「消費税を上げる場合は、必ずそれより前に国民に信を問う」とも述べ、衆院解散・総選挙に踏み切った場合は実施時期が早まることもあり得るとの考えを示したと報じる。

民主党マニフェストの無理を与謝野大臣が指摘する

 読売オンラインが2月2日に掲出した「「民主党は無知だった」与謝野氏…首相も追随」は、与謝野経済財政相が1日の衆院予算委員会で、民主党が政権交代前に作った21年衆院選の政権公約(マニフェスト)の財源捻出策について「民主党は無知だったと言わざるを得ない」と答弁したと報じる。同党のマニフェストは、各公約の財源について、予算組み替えやムダ削減などで16・8兆円を捻出する方針を掲げたが、与謝野氏は著書などでもこの点を批判していたとの由。答弁の直後には、菅首相も「一部は過大に見積もっていたところもある」と追随し、与謝野氏の考え方が首相に影響を与えている様子をうかがわせたとか。与謝野氏周辺は、「誤った財源論に固執する民主党の呪縛を与謝野氏が解放してあげているのだ」と指摘していると記事は伝える。

自民党の対案は国債発行を1兆円減額

 毎日jpが2月1日に掲出した「衆院予算委:11年度予算案 自民対案も国債>税収」〔野原大輔〕は、自民党の石破茂政調会長が1日の衆院予算委員会で披露した、政府の23年度予算案への同党の「対案」について、子ども手当や農家の戸別所得補償など「バラマキ施策」の中止や公務員の人件費削減で6.4兆円を捻出し、景気対策や成長戦略、地域活性化に計2.8兆円をあてる構想と報じる。ただ、国債発行の減額は1兆円にとどまり、自民党案でも国債発行額が税収を上回るのは変わらず、民主党政権への「助け舟」になりかねず、間の悪さは否めなかったと記事は評するが、国債発行の1兆円減額に対する適切な評価とは言えない。政府案は国債発行額が税収を約3.4兆円上回っており、自民党の谷垣禎一総裁は1月26日の衆院本会議の代表質問で「2年連続で借金が税収を上回る異常な事態」と批判したにもかかわらず、これを解消する案を提示できなかったことについて、同党政調幹部は「消費税を含めた税制抜本改革をしない限りだめだ、ということが示せればいい」と釈明していると記事は伝えるが、借金が税収を上回っているという定性的なことはたいした問題ではない。自民党案では、浮かせた財源を基礎年金の2分の1国庫負担(1.2兆円)や予備費1兆円の復元(0.2兆円)にも振り向けるとか。